F1レーサーの名をもつ猫
ウィーンで仲良くなった女友達が、長年、一人暮らしの相棒としてきたねこちゃんが、亡くなってしまいました。享年15歳。人間の年齢にすると70歳半ばくらいだそうです。新年になって突然、具合が悪くなり、甲状腺の疾患が原因で心臓が弱り、最後は呼吸困難で亡くなったそうでした。たった20日ほどの間の出来事でした。
バトンという、変わった名前のメスのねこちゃん。友人がファンだったF1レーサーのジェームス・バトンにちなんでつけたんだそうです。
犬みたいに好奇心が強く、ねこらしからぬ習性で街中を平気で歩きまわったり、旅行が好きなねこちゃんでした。というのも、生後2か月の頃から友人が、世界中のあちこちに仕事やプライベートで、旅に連れて行っていたからだそうです。
モントリオールで生まれ、NYで暮らし、カリブ海の島やヨーロッパの国々を旅行して、飛行機や列車のコンパートメントや、客船でも寝泊まりしたことがある。こんなに世界中を旅をしているねこに、私は会ったことはありませんでした。
ウィーンでは、私も友人とバトンちゃんと一緒にカフェに座ってお茶を飲んだり、ついこの年末も、一緒にクリスマスマーケットに行きました。
バトンちゃんは、たくさんの人と出店に大興奮で、ハーネスをつけているもののあちこち歩き回って、道ゆく人たちを驚かせていました。何しろ、雪が降る寒い外を元気に歩きまわっているねこなんて、私も見たことありません。愉快な出来事だったけど、考えてみたら、あれが危険信号だったのかも。老猫が急に元気になるのは、甲状腺のホルモン異常の兆候のひとつなのだそうです。
それにしても、あっという間でした。
友人は、ちょうど10年暮らしたウィーンから、カリブ海の島へ引っ越すことを考え始めていたところでした。
バトンちゃんは、それを知っていたような気がします。一番長く暮らしたウィーンから、離れたくなかったのかな?
今日、灰になって、ウィーンの空に上っていきました。
夜空で素早く流れる星を見つけたら、バトンちゃんかもしれません。
by rutsu_tobii
| 2016-01-21 23:59
| 海外の旅
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