トビイ ルツのTraveling Mind

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マニア向け建築名所

ウィーンには、新旧の建築物の興味深いスポットがたくさんあります。最近だとプラーター近くのウィーン大学の経済学部のキャンパスなどがホットスポット。故ザハ・ハディット女史による図書館をはじめ、「現代建築のプラーター(遊園地)やー」(彦摩呂風)と呼びたいほど独創的なスタイルの建築物が立ち並び、私のような建築好きには心躍る場所です。

そんな私が近年気になっているのは、ウィーン中央駅付近。2014年に中央駅が大幅にリニューアルされたばかりですが、周辺地域は今だに工事中。大型クレーンが林立して、何が建つのか近くに行く度に興味深く見ています。ウィーン中央駅側には、周囲が見渡せる展望台があって、重機や工事現場を見るのも好きだというマニアックな建築ファンには楽しい場所かもしれません。ドイツの首都がベルリンに移される直前、建築ラッシュだったポツダム広場に同じように赤い箱型の展望台があったのを思い出します。中央駅は全ての長距離列車の終着駅ですが、どのようなエリアに変貌していくのでしょうか。

もともと軍事博物館や21世紀館の建築物が好きで出かけていたエリアなのですが、まだしばらくの間、何ができるのかいろいろと想像しながら、変わりゆく建築風景を楽しめそうです。

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by rutsu_tobii | 2016-11-23 23:59 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

Shunga展

日本を離れている間は、いつも日本について一層、詳しくなる気がします。海外では必然的に日本についていろいろと質問されたり、自ら説明することも度々。おかげで毎回、それまで知らなかった日本の歴史や地理を学んだり、興味をもって最新事情を仕入れたりする機会に恵まれます。

先日は、MAKオーストリア応用美術館で開催中の日本の「Shunga 春画」展に足を運んできました。昨年は東京でも大規模な春画展が開催され、盛況ぶりが話題になっていましたが、ここウィーンでも春画展が開かれるとは。日本の歴史的なエロティックアートがどのように紹介されているのか、興味津々です。

実際に目にした作品は、どれもじっと観るのがはばかられるような男女の営みのシーンであったり、思わず笑ってしまうような奇想天外なエロ発想の場面の数々。けれども、それ以上に構図や色のバランスなど、芸術的なセンスと技量の高さに目が釘付けになってしまいました。
葛飾北斎、歌川広重、喜多川歌麿など、日本の江戸時代を代表する巨匠の作品の数々を間近に目にしたのも初めて。美人画の作品も多数展示されていたのですが、中でも『我が輩は猫である』の装丁で有名な明治時代の版画家、橋口五葉の美人画「浴シリーズ」は、日本女性の特徴的な黒髪の妖艶で繊細な表現が印象的でした。

期待以上のボリュームとクオリティの作品は、ウィーンの「レオポルド美術館」の所蔵コレクションとのこと。レオポルド美術館といえば、センセーショナルなエロスを描いたエゴンシーレの作品コレクションが有名ですが、さすがのお宝をお持ちです。

今回、展示のよかった点は、解説にもあります。春画には漫画のように人物同士の「会話」が描き込まれているのですが、江戸時代の「古典の日本語の会話」は、日本人の私でも読解不能。けれどもドイツ語と英語で、日本語に忠実に会話の翻訳文があったので、内容がよく理解できました。
実際、読むのに赤面するような男女のコトの最中の生々しい会話なので(笑)、おそらく日本の春画の展覧会では解説に「現代語訳」がつかないのではと想像します。日本ならではの「自主規制」で。春画を観るなら海外、それもウィーンがおすすめです。(笑)

『Shunga』展は2017年1月29日まで。




by rutsu_tobii | 2016-11-21 22:00 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

ウクライナの立て笛

シュテファン大聖堂のクリスマス市で写真と撮っていると、カタコトの日本語でウクライナ人の大学生に話かけられました。なんでも、学費を稼ぐために土産物を売っているいい、手にした小さな箱の中には、ウクライナの伝統的な木工製品がいろいろと入っていました。

セールスかあ、と半信半疑に根掘り葉掘りいろいろと話を聞くと、キエフの大学でフランス語を専攻している学生さんで、日本語は日本語を専攻している友人からちょっと教わったとのこと。他にもドイツ語、イタリア語、英語、トルコ語が話せるので、将来は語学力を生かした職につきたいのだとか。
6か国語も話せてもちろん素晴らしいのですが、思い出したのは、しばらく前にたまたまトラム乗り場で乗り合わせて、話をしたスロバキア人の若い女性のこと。彼女はなんと11か国語も堪能で、その中にはジプシー語まであったのです。けれども英語だけは話せないそうでした。(ちなみに、お仕事はウィーンの裕福なご家庭の子女のプライベートの家庭教師をしているそうでした。)

彼女に、多言語が理解できるようになった理由を聞くと「遺伝じゃないかなあ、祖父は8か国語も話せたし」と言っていましたが、私はやはり環境と性格が大きいのでは、と思います。彼女は手話もできるそうでしたが、ちょっとお話した限りでは、私のような見知らぬアジア人とも臆せずに会話できる、好奇心旺盛でオープンな性格の方に見えました。

ともあれ、ヨーロッパに住んでいれば、仕事に限らず有利に生きて行くために、たくさん言葉を勉強する必要があるのよね...と、学生さんのためにもお買い物させていただきました。

手描きでお花の模様が描いてある木製のタテ笛。「本当に鳴るの?」と聞いたら、学生さんは、バックパックの中から自分用の同じ笛を取り出して、鳴らしてくれました。なんでもクラリネットの演奏もできるそうで、多彩なのねーと私は関心しきり。

最後に「パカパカー」というウクライナ(ロシア)語の「さようなら」という挨拶を教わり、お別れしたのでした。
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by rutsu_tobii | 2016-11-20 23:59 | 生活文化 | Trackback | Comments(0)

クリスマス市場がスタート

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ウィーンは今週末までに街の主要なクリスマスマーケットがすべてオープン。昨日は、シュテファン大聖堂やアムホーフなど1区にあるマーケットをいくつか覗いてみました。

日の入りが早くなり、辺りが暗くなり始める16時頃には、街がイルミネーションでキラキラしてきます。
アムホーフのマーケットでは、入口側に名物のハムやソーセージをどっさり陳列したお店が立ち、お肉大好き人間たちの目がキラキラ。ワインのつまみにオープンサンドやソーセージを楽しんでいました。
一方、ビーガン(菜食主義者)にもOKという、できたてほやほやのバームクーヘン(日本のお菓子のバームクーヘンとは違ってパン生地)を売る店が、ここアムホーフにはあります。

クリスマス市はますますヘルシー志向の模様で、カールスプラッツのマーケットでは、ビオワインを専門にした名物のグリューワインを出す店の出店が目立ちました。オーストリアが原産のツヴァイゲルドや、ブラウアー・ポルチュギーザーの赤、ムスカテーラーの白などのグリューワインが楽しめます。

寒い日が続いているウィーンですが、寒いがゆえに暖かいワインやパンチは格別。今年もしばらく街の人々に多くの楽しみを与えてくれそうです。




by rutsu_tobii | 2016-11-19 23:59 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

エルナおばあちゃんとお茶

ウィーンでお借りしている部屋の真正面にある家に住んでいる、エルナおばあちゃん。お歳はなんと90歳なのですが、お元気でダックスフンドの犬のアントンと一緒に1人暮らししています。朝起きて窓の外を見ると大抵、暑い夏も寒い冬もお庭の手入れをし、車を運転して買い物や用事に出かけていくアクティブなエルナおばあちゃんに、以前から興味津々だったのですが、先日、初めてお家にお伺いし、お茶をしながらいろいろとお話することができました。

お家の中は、お庭同様、素晴らしく美しく整理整頓されていて、さすがに家事に関して几帳面なオーストリア女性のお家という感じ。お歳を召されていても、身なりもお家の中もきちんとセンスよく暮らしている様子に感銘を受け、ますますファンになってしまいました。

そんなエルナおばあちゃんが、お茶の時間に用意してくれたのは、クラプフェンとクーラーチェ。クラプフェンは、定番のあんずジャム入りのふわふわの揚げパン。クーラーチェはトプフェンというチーズを使った甘いデニッシュのような菓子パン。どちらもウィーンのスイーツの代表で、パン屋さんで普通に売られていますが、エルナおばあちゃんのチョイスは有名菓子店Oberlarオーバーラーのもの。お菓子屋さんがパンをつくるとさらにおいしいと開眼。高カロリーな菓子パンでエネルギー補給しながら、エルナおばあちゃんの人生の歴史を4時間に渡っていろいろとお聞きしたのでした。

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by rutsu_tobii | 2016-11-16 23:59 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

新酒を祝うお祭り

 11月に入り、そろそろあちこちのホイリゲ(ワイン居酒屋)から新酒が出来上がったとうわさが聞こえてきました。先日の日曜日は、ワインの産地で有名なニーダーエースタライヒ州の町、Perchtoldosdorfペーツトルドルフで新酒の出来上がりを祝うお祭りがありました。ウィーンから電車で1時間ほどの場所です。

 朝から冷たい雨が降り続くあいにくのお天気だったのですが、市庁舎広場には伝統的な衣装を身につけたたくさんの人たちが集まって、とても楽しげな雰囲気。男性も女性も葡萄の実と色づいた黄色い葉の飾りをジャケットの胸ポケットや、帽子に飾っていたのが印象的でした。
 一番の見物は、着飾った人々と馬、そして音楽隊の行進です。町のシンボルでもある教会からカリヨンの鐘が賑やかに奏でられた後、広場へ向かって一斉に歩き出します。

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 花や藁の飾りをつけたたくましい馬たちは、おとぎ話にでてくるような可愛らしさ。その後の市長をはじめ関係者のスピーチがあったのですが、ステージの上でみんな新酒をグビグビ飲みながら、時事ネタをいれたローカルジョークで人々を涌かせていました。地元愛にあふれた友人達が、お祭りについていろいろとガイドしてくれたのですが、小さなコミュニティならではの親密な雰囲気に、部外者ながらほっこり。お祭りの後は地元客で賑わうホイリゲに直行し、今の時期の名物のアヒルのグリルと新酒を早速いただきました。

 オーストリアの新酒の「解禁」は毎年11月11日といわれていますが、どうやらフランスなどのように厳密な規則は特にないようで、すでに新酒が出来上がったホイリゲでは飲むことができます。若いワインがお好きな方は、お早めに「初物」をお楽しみあれ。




by rutsu_tobii | 2016-11-08 10:00 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

晩秋のハイキング

 友人たちとウィーンの南の外れにある「テーブル岩」とよばれる小高い山にハイキングに行ってきました。あいにく濃い霧が出て遠くの風景ほ全く見えなかったのですが、黄色く葉が色づいたワイナリーの景色や、黄金色の落葉でできた絨毯が敷かれた山道を楽しみました。

 とはいえ、花より団子で一番の楽しみは山小屋での昼食。友人によると、山小屋のレストランは、希望者なら誰でも食事を作ってサービスできるのだとか。この日は友人の知り合いのご一家がサービス。メニューはカボチャのグーラーシュ(ハンガリー風スープ)や、レンズ豆のスープ、ソーセージのダンプリングなど、一般的な山小屋メニューが登場していました。デザートのザッハートルテは、一家のおばあさまが手作りしたものだそうでした。
 客のほとんどが、その日の山小屋の担当一家の友人や知り合いとみえて、かなりアットホームな雰囲気。大賑わいの楽しい団らんと、アプリコットのシュナップスで体が温まりました。

 ちなみに、売り上げは山小屋の所有団体に寄付されることになっているのだそうです。スケジュールを見ると、数ヶ月先まで担当者が決まってました。担当者によって料理のメニューにオリジナリティがありそうで、楽しいシステム。逆に知り合いがいないと、入るのに気後れしてしまいそうな山小屋レストランですが、山へ足を運ぶ人を増やすアイデアのひとつなのだと思います。

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by rutsu_tobii | 2016-11-07 12:00 | 海外の旅

ベップ・アート・マンス2016

先日、ネットのニュースで出身地である別府が、全国の市町村別の「魅力度ランキング」で、10位だということを知りました。


なんと新宿区や軽井沢町よりも上!
いろんな調査基準があるのでしょうが、自分が思う以上に全国では多くの方が、別府に魅力を見いだしてくれているのだと思います。

別府には確かに、天然資源である温泉以外にもたくさんの魅力があります。
近年、ますます活発になっている文化的な活動もそのひとつ。

今年も別府では、毎年恒例の市民文化祭『ベップ・アート・マンス』が開催中です。プログラムを見てみると、例年にもまして場所や内容がバラエティ豊か。私も2014年に個展で初めて参加させていただきましたが、それがご縁で今まで訪れたことのなかった別府の素敵な場所を知ったり、個展にいらっしゃった県外の方々から、逆に別府の穴場を教えてもらったりと、とても新鮮な体験でした。

別府とウィーンを往復する生活をしてはや5年。
別府の魅力、日本の魅力。その中に住んでいると見過ごしてしまいがちですが、私はいつもそれをウィーン滞在中に気づかされるのです。










by rutsu_tobii | 2016-11-03 17:30 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

万霊節

 11月1日は、キリスト教の万霊節。オーストリアでは国民の休日で、亡くなった方々の魂にお祈りを捧げるために、お墓参りに行くのが習慣になっています。友人は「11月1日は、みんなが一斉にお墓参りに行くので混雑していやだ」と、すでに数日前にご両親のお墓参り。私もお供してラベンダーの花と、ケルトの植物、松ぼっくりやザクロがあしらわれたリースをお供えしました。  
 そして、万霊節の当日、私だけ再び墓地へとお墓参り。ちょうど森に散歩に行く途中でもあったのですが、この地域の習慣だけに、墓地や人々の様子にも興味がありました。いいお天気で、墓地の黄色に色づいた木々が光の中で映えました。直前には彩雲も見れたほどです。混雑というほどではありませんが、人は多く、お墓には品評会で見るような鞠のように大きくてりっぱな菊の花が目立ちます。(西洋の果物や野菜は日本に較べて大きいものが多いですが、菊までが大きいのね!と内心、思ってしまいました)この時期、墓地の入口の前にお花やリースを売る露店が出て、繁盛しています。私はお供えの赤いキャンドルだけ灯してご挨拶してきました。 
 今年は年始からここウィーンや日本でも友人や親族、いくつかの魂とお別れする出来事が続きました。そんな方々にも思いを馳せた11月最初の日でした。




by rutsu_tobii | 2016-11-01 23:59 | 海外の旅
トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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