トビイ ルツのTraveling Mind

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新酒を祝うお祭り

 11月に入り、そろそろあちこちのホイリゲ(ワイン居酒屋)から新酒が出来上がったとうわさが聞こえてきました。先日の日曜日は、ワインの産地で有名なニーダーエースタライヒ州の町、Perchtoldosdorfペーツトルドルフで新酒の出来上がりを祝うお祭りがありました。ウィーンから電車で1時間ほどの場所です。

 朝から冷たい雨が降り続くあいにくのお天気だったのですが、市庁舎広場には伝統的な衣装を身につけたたくさんの人たちが集まって、とても楽しげな雰囲気。男性も女性も葡萄の実と色づいた黄色い葉の飾りをジャケットの胸ポケットや、帽子に飾っていたのが印象的でした。
 一番の見物は、着飾った人々と馬、そして音楽隊の行進です。町のシンボルでもある教会からカリヨンの鐘が賑やかに奏でられた後、広場へ向かって一斉に歩き出します。

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 花や藁の飾りをつけたたくましい馬たちは、おとぎ話にでてくるような可愛らしさ。その後の市長をはじめ関係者のスピーチがあったのですが、ステージの上でみんな新酒をグビグビ飲みながら、時事ネタをいれたローカルジョークで人々を涌かせていました。地元愛にあふれた友人達が、お祭りについていろいろとガイドしてくれたのですが、小さなコミュニティならではの親密な雰囲気に、部外者ながらほっこり。お祭りの後は地元客で賑わうホイリゲに直行し、今の時期の名物のアヒルのグリルと新酒を早速いただきました。

 オーストリアの新酒の「解禁」は毎年11月11日といわれていますが、どうやらフランスなどのように厳密な規則は特にないようで、すでに新酒が出来上がったホイリゲでは飲むことができます。若いワインがお好きな方は、お早めに「初物」をお楽しみあれ。




by rutsu_tobii | 2016-11-08 10:00 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

万霊節

 11月1日は、キリスト教の万霊節。オーストリアでは国民の休日で、亡くなった方々の魂にお祈りを捧げるために、お墓参りに行くのが習慣になっています。友人は「11月1日は、みんなが一斉にお墓参りに行くので混雑していやだ」と、すでに数日前にご両親のお墓参り。私もお供してラベンダーの花と、ケルトの植物、松ぼっくりやザクロがあしらわれたリースをお供えしました。  
 そして、万霊節の当日、私だけ再び墓地へとお墓参り。ちょうど森に散歩に行く途中でもあったのですが、この地域の習慣だけに、墓地や人々の様子にも興味がありました。いいお天気で、墓地の黄色に色づいた木々が光の中で映えました。直前には彩雲も見れたほどです。混雑というほどではありませんが、人は多く、お墓には品評会で見るような鞠のように大きくてりっぱな菊の花が目立ちます。(西洋の果物や野菜は日本に較べて大きいものが多いですが、菊までが大きいのね!と内心、思ってしまいました)この時期、墓地の入口の前にお花やリースを売る露店が出て、繁盛しています。私はお供えの赤いキャンドルだけ灯してご挨拶してきました。 
 今年は年始からここウィーンや日本でも友人や親族、いくつかの魂とお別れする出来事が続きました。そんな方々にも思いを馳せた11月最初の日でした。




by rutsu_tobii | 2016-11-01 23:59 | 海外の旅

ハロウィーン

 ウィーンでも年々、盛り上がっているハロウィーン。駅の構内で私の前を歩いていた若い女性が、振り返るとかなり本気のゾンビメークをしていて、心臓に悪かったです。(笑)バスに乗ると、黒づくめのゴチック風の衣装と白塗りメークをしていた女性が、スマホをいじりながらお隣に座っていました。そんな方々が薄暗いウィーンの街中にいると、めちゃくちゃリアリティがあります...

 ご近所では、太陽が沈んだ頃からさまざまな仮装をした子供達のグループが、家々を訪ね歩いているのを見かけました。どうやらこの家にも来たようで、階下に住む大家さんがお菓子をあげたそうです。
 
キッチンの流し台の下で見つけた、陶器のジャック・オー・ランダン。今年初めて火を灯してみました。不気味なお顔だと思っていたけど、今日はちょっとうれしそう?
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by rutsu_tobii | 2016-10-31 23:59 | カルチャー

煙突掃除人さん

 しばらく前に大家さんから「近々、煙突掃除人さんがこの家にやってくる」と聞き、心待ちにすることかれこれ幾日。ハロウィーンの早朝、屋根裏部屋へと向かう足音が騒がしいと思ったら、煙突掃除人さんの姿がありました!
 なぜ心待ちにしていたかというと、ドイツやオーストリア、中央ヨーロッパの多くの国では煙突掃除人さんが「幸運のシンボル」になっているから。滅多に会えないからというのが理由らしいです。
 聞けばオーストリアでは2年に1回、煙突の安全チェックが義務付けられているので、2年毎に確実に会えるのですが、ともあれ日本では煙突のない家で暮らす私にとっては、十分エキゾチックな存在。前に借りていた家に一度、煙突チェックでお目にかかったことがあるのですが、黒いオーソドックスな制服と制帽姿で登場し、あっという間にチェックをすませ風のように立ち去ってしまった記憶があります。 

 やってきた煙突掃除人さんは、大柄な30代後半くらいの男性で、黒の制服姿でしたが頭に制帽はなく、歌舞伎役者のカツラの下のように白い布を頭に巻き付けていました。よく見ると制服のデザインやそんなに古めかしくありませんでしたが、トレードマークの肩からかけた黒いホースと黒毛のブラシの掃除道具は、かなり年季が入ったものに見えました。会社で代々使っているものなのかしら...? 

 今回は写真を撮らせてもらった上、「幸運を!」と言ってもらい大満足!「なんなら煙突掃除人の写真カレンダーも売ってるよ」と教えてもらいました。そういえば近年は、毎年、消防士カレンダーが話題になってますよね。ただし制服を脱いだ姿が理由で人気みたいですが(笑)。私はそこまでマニアではないのですが、煙突掃除人カレンダー、見てみたいかも。




by rutsu_tobii | 2016-10-31 23:58 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

冬時間

 ヨーロッパは今日から冬時間が始まりました。朝、自動的に現地時間を修正してくれるiPhoneの時計を見ると、アナログ時計より1時間遅れていました。勘違いして、てっきり1時間早まると思っていたのですが、それだと大事な用事に遅れる人がでてくる可能性がありますよね。通常、日曜日に時間変更が行われるので、大多数のビジネスには支障がないとされていますが、毎度人々はどのように生活時間のつじつまをあわせているのか、不思議に思います。

日本との時差は−8時間になりました。これからどんどん日没が早くなり、夜が長くなっていきます。




by rutsu_tobii | 2016-10-30 23:59 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

あけましておめでとうございます

新年は大家さんのご家族と、お向かいに住む一人暮らしのエルナおばあちゃん、そして彼女の愛犬アントン君と迎えました。

ウィーンの新年は、たくさんの花火でお祝いすると聞いていましたが、思いがけず、多くの見事な花火を窓越しに観ることができました。
というのも、てっきり街中の人の集まる場所だけでオフィシャルなイベントとして、大きな花火が観られるものと思っていたからです。
実際のところ、郊外の住宅地にもかかわらず、大晦日は21時過ぎた頃からすでにあちこちで花火が上がり始め、23時過ぎにはさらに、その数が増え始めました。そして、年の変わった午前0時に賑やかさは最高潮。ご近所の個人の方々の気合いの入ったお祝いに便乗して、眺めを楽しませていただきました。

大家さんがご用意してくれた夜食のテーブルには、豚さんやてんとう虫、マッシュルームや煙突掃除人さんの小さな置物が置かれていました。これらはすべて、ドイツやオーストリアでいわれる新年の「縁起物」。クリスマス明けから大晦日にかけて、駅前やスーパーの一角で、これらの置物が売られているのを見かけましたが、人によっては毎年のように買って集めたり、贈り物にするのだそうです。

花火の賑やかさに加えて、夜が更けても元気の衰えない大家さんとエルナおばあちゃんの会話に頑張ってついていき、床についたのは夜中の3時過ぎ。クリスマスから新年にかけてのお祭りシーズンは、一応のフィナーレを迎えたのでした。





by rutsu_tobii | 2016-01-03 23:59 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

特別なクリスマス

今年のクリスマスは、大家さんと友人家族のお宅に招いていただき、それぞれのお家ならではのクリスマスのスタイルを経験させてもらいました。

お料理の得意な大家さんのご家庭のクリスマスのメイン料理は、鯉。中央ヨーロッパではクリスマスに魚を食べる習慣があるのは知っていましたが、実際に食べるのは初めて。大家さんのお宅では、シュニッツエルのように衣をつけたオーガニックの鯉をたっぷりの油で焼き、レモンを絞っていただきました。 
アーモンドの粉を使ったヴァニラキプフェルや、リンツァーオーゲンとよばれるあんずジャムを使ったクリスマス菓子も、大家さんの手作り。日頃からしょっちゅうお菓子を手作りしてはおすそわけしてくれるのですが、家庭料理の温かさがいっぱいのお食事でした。

友人宅でもいろいろと珍しいものをいただきました。クリスマスケーキは、ニュージーランドから帰国中のお姉さんが手作りした「パブロヴァ」というメレンゲケーキ。白いメレンゲと生クリームにイチゴが乗ったケーキは、ニュージーランドのクリスマスケーキの定番だそうです。
木の実から作ったほろ苦い蒸留酒も、初めて飲みました。青いカシューナッツを使って作るシュナップス。とある農家の女性がお父さんから受け継いだオリジナルのレシピで、クリスマスマーケットで売る時だけに作るものだそうでした。

お家の居間に2mほどの高さの大きなクリスマスツリーが、美しく飾りつけられていました。ツリーの下には、宛名が書かれたプレゼントが置かれています。部屋の電気を消して、ツリーにつけたロウソクに火を灯すと、部屋にいたみんなが一緒に「もみの木」や「きよしこの夜」を静かに歌い始めました。もちろんドイツ語なのですが、日本でも親しまれている歌が聞けた親近感と、クリスマスならではの親密で温かい雰囲気にとても感動した瞬間です。

クリスマスツリーの下には、友人家族から私宛へのカードがあって、そこには、後日受け取る素敵なプレゼントのことが書かれていました。今年のクリスマスは、たくさんの人のおかげで、とても特別なものになりました。
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by rutsu_tobii | 2015-12-26 23:59 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

クリスマスイヴの赤いキャンドル

朝起きると、まだ辺りが暗い中、お向かいに一人で暮らすエルナおばあちゃんの家の前に、赤いキャンドルがひとつ、灯されているのを見つけました。いつのまにか小さなクリスマスツリーも飾られています。クリスマスイヴの朝です。

クリスマスツリーは、クリスマスまでのアドベントの間から飾られていると思っていましたが、多くの家庭では、クリスマスイヴの午前中に飾り付けをはじめ、新鮮なモミの木の様子をクリスマスから1月6日の三聖王祭あたりまで楽しむのだそうです。

イヴの日は午後から店も早じまいしはじめ、夕方には車の往来も減って、ご近所はぐっと静かになりました。

日没の16時過ぎ、近所にある墓地にでかけました。友人のご両親のお墓参りです。暗くなってから墓地に行くのは、普段ならあまりいい気持ちはしませんが、「あちこちに灯った赤いキャンドルがとてもきれいよ」と友人に言われ、行ってみたのです。

まだほんの少し明かりが残った空、冷たい空気の中で光り始めた大きな満月が浮かんでいました。広い墓地の中で、ポツン、ポツンとあちこちに灯された赤いキャンドル。とても神秘的な風景でした。
暗くなった墓地は寂しいどころか、人々が来ては去り、普段より賑やかな気さえします。

「クリスマスは家族の日だから。亡くなった家族も思い出して、訪ねに行くのは、あたりまえのこと」

階下に住む大家さんも、同じ墓地にあるご家族のお墓に、やはり暗くなってからお墓参りに出かけたそうでした。
お墓で見た赤いキャンドルは、ご家族を思って捧げられた温かなともしびだったのですね。

人々のいろんな思いをこめた赤いキャンドルが、クリスマスの間にあちこちで灯されることでしょう。




by rutsu_tobii | 2015-12-25 23:59 | 海外の旅 | Trackback | Comments(0)

ひさしぶりの注射

芝生の上でゴロゴロすることが大好きな私。本を読んだり、考えごとをしたり、どこの街にいても必ず気持ちのよさそうな芝生を見つけると、ダイブせずにはいられません。しかし今回は突進する前に思慮深い行動をとることにしました。マダニの予防接種をすることにしたのです。

ウィーンを含めたオーストリアの東部は、Zecken(ツェッケン)と呼ばれる悪名高いマダニの生息地。吸血されて運悪くウィルスに感染すると脳炎や髄膜炎、重症だと死に至るそうで、周囲の人に度々、ワクチンの予防接種を薦められていました。とはいえ、ウィルスをもつマダニは1000匹に1匹とのこと。必ずしも発症する訳ではありません。
最近は免疫力を上げるオルタナ健康法重視で、インフルエンザの予防接種でさえ、受けなくなった私。とはいえ、「いやいや、そんなもんじゃ」と大家さんたちに脅された上、マダニが心配で自然を楽しめなくなると残念なので、受けることにしました。

最寄りの区の保健所(区役所の一角)に行くと、多くは親に連れられた子供たちが列を作っていました。普通はマダニが出始める季節の前に接種するので、さほど人数は多くない模様。案の定、泣き叫んでいるコもいて、久々のお注射に私もちと恐怖。(笑)

問診票はドイツ語ですが、アレルギーや重病、薬の服用の有無など予防接種にでよく聞かれる質問内容で、運良く親切な受付のお姉さんに手伝っていただきつつ、記入完了。料金の1回分19.20ユーロを支払い、隣室にいた女医さんがササッと腕を消毒してピッと注射して終わりです。
予防接種は効果を確実にするために、3回の接種が必要とのこと。4週間後(1〜3ヶ月)に再び接種にくるように言われました。

考えてみれば、海外滞在のために前回、予防接種を受けたのは、中国でSARSが流行した2000年頃。現在は韓国でMARSの流行が心配されていますね。こちらはまだワクチンはないようですが。
何事も予防第一。とりあえず、しばらくは芝生の上での長居は謹んでおこうと思います。



by rutsu_tobii | 2015-06-18 23:59 | 健康&美容 | Trackback | Comments(0)

ウィーンの新名所

世界中のどこの街に行ってもある信号機。赤は止まれ、青は進めという決まりはもちろんのことデザインもほぼユニバーサルなのですが、ウィーンに最近設置された信号機はちょっとユニーク。
赤信号では、スカート姿の女性2人が並んでいます。そして青に変わると、♡マークと共に、その2人が手を繋いで歩く姿が浮かび上がるのです。
この信号機は、同性愛やトランスジェンダーなどの性に関する多様性を尊重する、「ジェンダーフリー」の啓発のために作られたのだとか。もちろん男性2人組のバージョンもあります。

オーストリアは同性同士の結婚も認められている国。ウィーンもゲイフレンドリーで、性に関する表現にはリベラルな雰囲気が感じられます。
昨年のユーロソングコンテストで優勝し、一躍国民的なアイドルとなったコンチータ・ウルストさん(男性)。ドレスにロングヘア、ツケマのお化粧に加え、りっぱなヒゲも生やしている、ある意味「ありのままの姿」で話題になりました。オーストリア銀行をはじめ、あちこちの有名企業の広告に登場しているのをみると、国や人々の進んだ社会意識がうかがえます。
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そのジェンダーフリーの信号機ですが、先日街中を歩いていて偶然に発見しました。一つだけかと思ったら、見つけただけでも国立オペラ座やノイバウ、ミッテ駅、ナッシュマルクト近くなど、人が多く集まる場所に設置されています。

他のどこの街にもない信号機は、ウィーンの新しい観光スポットといえるかも。セルフィや記念撮影する際は「信号を守って」、事故がないようにお気をつけくださいね。
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by rutsu_tobii | 2015-06-03 23:59 | 社会 | Trackback | Comments(0)
トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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