トビイ ルツのTraveling Mind

タグ:写真 ( 36 ) タグの人気記事




写真展『倶会一処』

お仕事仲間の写真家の前康輔氏が、初の写真集『倶会一処(くえいっしょ)』を出版したとのお知らせをいただきました。現在、表参道の青山ブックセンター本店にて、同タイトルの写真展を開催中です。

以前、彼がweb上で行った写真展を拝見した際に、この聞き慣れない仏教用語を初めて知りました。案内状の解説には「死後に浄土の仏や菩薩たちと、同じ場所(一処)で出会うことができるという意味」とあります。写真集には、18歳の時から35歳の現在まで撮影した、ご家族の写真が収められているそうです。

昨年末に、森美術館で行われていたリー・ミンウェイ展でも感じたことですが、見知らぬ誰かのプライベートな想い出や出来事には、覗き見のような一抹のとまどいを覚えながらも、共感を見いだす楽しみが隠れています。同じ人間ですから。他人の生から死までの営みの中に、自分にも共通する生々しい感情を見つけるのは、とても豊かなこと。そんな期待をもった写真展です。

写真展は2月20日まで。詳細



by rutsu_tobii | 2015-02-03 23:59 | 仕事仲間・友人 | Trackback | Comments(0)

倶会一処

EsquireやGQなどで一緒に仕事してきた、若手写真家の前康輔くんから、Web エキシビションのお知らせが届きました。1/29まで公開中。会場での展覧会と違って、私のように日本から離れていても、じっくり写真を拝見できるのはありがたいことです。

展覧会のタイトルは『倶会一処』。意味を調べてみると仏教用語で、極楽往生したら、先に極楽へ往っているご先祖や親しい人たちに会えるということなのだとか。スライドショーで映画のように写し出されるのは、彼自身のご家族の命の記録。私小説風でありながら、とても身近に感じます。

生まれて、そしていつか逝ってしまう。
普遍的な誰もに共通する物語です。

展覧会サイト



by rutsu_tobii | 2013-01-19 18:44 | 仕事仲間・友人 | Trackback | Comments(0)

エリオット・アーウィット回顧展

写真家のエリオット・アーウィット、この7月で84歳なるんですね。クンストハウス ウィーンKunsthaus Wienで回顧展で開催されているというので、亡くなったのかと思ってしまいました。そのくらい経歴の長い、有名写真家です。

報道写真家集団マグナムのメンバーとして活躍し、緊迫感のある歴史的瞬間からユーモラスで愛らしい人物や犬の写真まで、たくさんの有名な作品がありますが、どれもヒューマンな目線が感じられてとても好きな写真家のひとりです。
数々の名場面をフレームにおさめてきた彼の「パーソナルベスト」な写真集が昨年出版になったそうで、回顧展ではその中の作品の多くを観ることができました。

なんでも写真界のウッディ・アレンとよばれているそうですが、「これって仕込んだんじゃないの」と思わせるような、偶然かつ一瞬の出来事にしてはできすぎた微笑ましく、陽気な、アイロニカルでアップリフティングな作品が多いのですよね。今回は、主に旅先(特にNY)で撮影した写真や、歴史的に有名な政治家や有名人の報道写真、ヌーディストシリーズや美術館シリーズなどが紹介された、盛りだくさんな内容の回顧展でした。

会場を出ると「何か面白いことが起こっていないかしら?」と、思わずまわりを見回しながら歩いてしまいました。そのくらい、「何気ない日常には楽しくて素敵な場面が溢れているのに、私たちが気づかないだけなんだ」と思わせてくれるような写真ばかりです。

展覧会に足を運べない方も、彼のすばらしいウェブサイトがあるみたいなので、そちらをのぞくとインスタントにハッピーな気持ちになれますよ。

展覧会は9月30日まで。 Kunsthaus wien



by rutsu_tobii | 2012-06-30 22:44 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

ファッション写真展VANITY 追記

ファッション写真展『VANITY』で紹介されていた写真家たちのプロフィールを見ると、元々、グラフィックデザイナーとして活躍していたり、エンジニアから写真家に転向したり、建築を勉強した後にファッション写真家を目指したりと、最初から写真やファッションを勉強したりといった人が目につきました。

今年の8月に惜しくも亡くなった写真家の小泉佳春さんは、確か、元々は写真技術者だったと記憶しているのですが、広告写真で有名な上田義彦さんに師事された方。アシスタントを志望して、スタジオを訪れた際は、自分の作品のポートフォリオを全く持っていなかったので、かわりにそれまでに趣味で描いていた絵を見せて、写真家としてのセンスの素養を判断してもらったとお話していたのを思い出しました。

ファッション写真の魅力は、洋服が主役の場合、ドレープの陰影だったり、全体のシルエット、色のコントラストなど、写真家の切り取るシーンでそれぞれの美しさに気づかされること。グラフィックデザイナーや建築家など、写真家たちのバックグラウンドが、そんなところに表現される発見も楽しかったです。

会場では1930年代から現在までの、VOGUEやHARPERS BAZAAR、IDのバックナンバーの表紙の展示もあって、見応え十分。ウェブの方ではウィーンのストリートファッションも紹介されているようですので、チェックしてみてくださいね。

ファッション写真展 VANITY はKUNSTALLE WIENで2012年2月12日まで。



by rutsu_tobii | 2011-11-11 14:49 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

ファッション写真展VANITY

幾何学模様のタイトなスイムスーツを身につけたスタイリッシュな女性の白黒写真。タイポグラフィとの調和も美しい、ファッション写真展『VANITY』。ポスターを見つけた時から早く観たい!と思っていたのですが、ようやく先日、足を運ぶことができました。
d0069964_2351416.jpg

ドイツ人写真家F.C. Gundlachグンドラッヒによる1920年代から現在に至るまでのファッション写真のコレクション展で、ドイツ語圏では最大級とあって、かなり見応えがありました。
1930年代に活躍したセシル・ビートン、ディオールで一世を風靡したリチャード・アヴェドン、アナ・ウィンターと共にVogueでスーパーモデルブームの社会現象を生み出したピーター・リンドバーグ、現在も活躍するニック・ナイト、クリスチャン・シューラーまでその数100点近く。ファッション雑誌や広告で観たことのある、各作家のアイコニックな作品のオリジナルを堪能できて感動しました。

今まであまり知らなかったドイツ人のファッション写真家や、かなりの数の女性ファッション写真家の存在を知ることができたのは、収穫。ライティングの美しい幻想的なポートレートに魅かれた、ドイツ人で最初の女性ファッション写真家YVAは、かつて巨匠ヘルムート・ニュートンも弟子入りしていたとか。ユダヤ人であったために仕事を奪われ、戦時中に不幸な最後を遂げたというエピソードには胸が痛みました。
1990年代の広告で印象的だった、デヴィッド・ラシャペルのアレクサンダー・マックイーンとイザベル・ブロウのスプラスティックな写真Burning down the houseは今見ても最高! どの作品もファッションという時代を切り取る写真でありながら、エバーグリーンな美しさ、新鮮な楽しさがあります。

今回のコレクションの提供者であるグンドラッヒ氏ですが、おそらく結構高齢な方だと思うのですが、無名に近いアメリカ人写真家の作品や、現代アート的な要素がある、Edgar Leciejewskiのグーグル・ストリートビューの顔ボケ写真のパロディのストリートファッション写真まで揃えていて、素晴らしい感性。ご本人も1960年代頃から活躍しているファッション写真家とのことですが、風景と女性、服の調和したすごく審美的な美しい写真をたくさん撮っています。ポスターの写真も彼の作品でした。

ファッション写真展 VANITY はKUNSTALLE WIENで2012年2月12日まで。

まだ感想があるので、それは明日以降に。



by rutsu_tobii | 2011-11-10 15:09 | ファッション | Trackback | Comments(0)

小泉佳春さんへ

5年前、モロッコ、マラケシュへの取材旅行。西アフリカの刺すような熱い日差しの中、写真家の小泉佳春さんは、カメラを片手に、エキゾチックなスパイスの香りが入り交じるスークの中を駆け回っていました。いつのまにか、革靴屋のお兄さんと仲良くなって、事務所用にと素敵なバブーシュを1ダース、格安でオーダーしていましたね。いいお買い物をしたな、とすごくうらやましかったです。

モロッコ料理店のAl Fassiaは、オーナーをはじめ、スタッフ全員、陽気で美人な女性ばかりでしたが、小泉さんはとても人気者になってしまい、よく笑うちょっと太めの女性スタッフにずっとハグされていたのを、覚えていますよ。

3年前の小豆島への取材旅行。連日35度を超える蒸し暑い日差しの中、今度は湯船山の棚田のあぜ道を駆け回っていましたね。その時も、野良仕事のおばあちゃんや、散歩中のおじいちゃんと仲良くなって、島の苦労話など聞きながら、汗だくでシャッターを切っていたのを覚えています。

取材先の小豆島のオリーブ石けん屋のオーナー女子は、とてもオープンな性格で帽子の似合う可愛いコでした。プライベートなうちあけ話に、「男性からプロポーズされる方法」を伝授していましたが、その後、すぐに彼女が島の人と巡り会って結婚できたのは、単なる偶然でしょうか?(笑)

2年前の夏。最初の闘病の後、中国の雑誌の掲載用に、私の初のポートレート写真を撮っていただき、ありがとうございました。一流の写真家に撮っていただいたのに、「仕事仲間にはそうしているから」とお代は受け取らず、大変恐縮でした。そのかわり、仕事をとってくる約束をしたのに、果たせなくてすみません。

今年の夏。私がウィーンに来たからには、きっとまたお仕事をご一緒できるはず、と楽しみにいました。それなのに、肝心の小泉さんがいなくなってしまったではありませんか。約束が果たせなくて、本当に残念です。

いろいろと暴露話をしてしまって、すみません。ただ、小泉さんがどんなにいい方で、お仕事に一生懸命で、心のこもった写真を撮っていたのか、お話ししたかっただけです。

おつかれさまでした。どうぞゆっくり休んでください。



by rutsu_tobii | 2011-08-09 22:30 | 仕事仲間・友人 | Trackback | Comments(0)

写真誌FOAM日本版

先週のことですが、アムステルダム発の国際的写真誌FOAMの日本語版のローンチを記念するレセプションにおじゃましました。場所は芝公園の瀟酒な洋館のオランダ大使館。
大使館というのは、日本の中にあるといえども治外法権になっている、いわばその国の領土であり、国の代表機関。ロケーションや建築にお国柄が表われたものも少なくありません。旧芝給水所側にあると聞いて、運河や水路に縁が深いオランダにぴったりと思ったのですが、ただの偶然でしょうか。

肝心の雑誌FOAMは、オランダで2001年から年4回発行され、世界中で配本されている季刊の写真誌。アムステルダムの街の中心には、雑誌と連動した写真美術館を運営しているそうです。
今回、10周年を迎えた雑誌はパイロット版として日本語の翻訳をつけたものを発行。最新号には日本の石内都さんの作品が紹介されています。
毎年、才能ある新人発掘のために作品を公募し、すでに何人もの若手写真家がこの雑誌からブレイクスルーしているとか。日本版の発行を機に、日本からも世界に向けてデビューする若手が登場するかもしれませんね。

出版をとりまく環境は世界的に激変中ですが、紙や印刷技術がキモのビジュアル誌。FOAMは印刷会社から紙の提供を受けるなど、私企業の協賛を受けているそうでした。日本の企業も現代のカルチャーと共同して、世界で共に育っていくところがでてきてもよさそうなのですが。日本版の発行元は、現在、探しているところだそうです。
d0069964_2315765.jpg




by rutsu_tobii | 2011-02-26 23:19 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

冬至の朝

今日は1年のうちで最も日が短い冬至。伊勢神宮をはじめ、パワースポットといわれる重要な神社は、冬至の日の太陽の通り道の軌道上につくられているそうですが、古代の人々の知恵や自然への畏敬を思うと、なんだか今日の太陽の光が神々しく特別に思えます。

日はまた長くなっていくものの、実際にはこれから本格的に寒くなってくる時期。家の中で過ごす時間も多くなってくるので、快適に過ごせるよう、少し部屋の模様替えをしました。大好きな写真集Heimatの雪景色を眺めていたら、寒い冬も素敵に思えてきます。
とはいえ、ヨーロッパからの便りではここのところ大雪で大変みたいで、素敵とばかりにはいかないよう。対する今朝の東京は、冬至にしては暖かかったせいか、早くも春が待ち遠しい気分です。
d0069964_9282917.jpg




by rutsu_tobii | 2010-12-22 09:36 | その他 | Trackback | Comments(0)

チャリティー写真展

毎年、12月恒例のフォトボランティアジャパン主催によるチャリティー写真展へ今年も行ってきました。フォトボランティアジャパンはプロの写真家たちが運営するボランティア団体。写真展は昨年から場所を銀座から東京ミッドタウンに移し、今回で14回目となったそうです。

参加者には大御所の有名写真家や、仕事仲間も何人かいるので毎回楽しみにしているのですが、全作品が額装された状態で1万円という手頃な価格で手に入る上、支払ったお金の全額が世界の恵まれない子供達を支援する団体に寄付されるという、ちょっと特別なお買い物なのです。
参加の写真家は日頃、広告や雑誌での活躍が中心でめったに個展をしたり、作品を販売する機会がない方がほとんど。作品を入手できたり、新たにお名前を知ることができるのも魅力です。

今回、私は会場に入ってすぐに目につき、気にいった作品が、たまたま知り合いの広告写真家の方であると知り、ご縁を感じて購入させていただきました。他にも気になる作品はあったのですが、お名前を覚えておき、今後、作品をチェックしていく楽しみとさせていただきます。

チャリティーを目的としたアートイベントは珍しくありませんが、このチャリティー写真展、売り上げの一部ではなく「全額寄付」と、かなりがんばっている上、額装代は団体が負担しているものの、経費はすべて写真家の負担。しかも、もし売れなかったらその額代も各自が負担するのだとか。りっぱなおこころざしです。

皆さんプロの写真家なので、当然、作品自体の質は高いとは思うのですが、アートとして扱うのに少々、不慣れな方が多いのか、作品に記名されているご本人たちの自筆のサインの出来がよくないものも多く、購入をためらわれた方もいるというのが大変残念。作品のサイズも、もうちょっと大きいのが欲しいかな、という気がしたり。社会貢献を目的とする慈善イベントの運営やブランディングはデリケートなことも多いでしょうが、いろいろ見直すべき点もあるようでした。

とはいえ、今回はイベントの宣伝もかなりされて出足も順調のよう。社会貢献やアート作品を買うことに人々の関心が集まるのは喜ばしいことと思います。

写真展は明日12/19(日)までフジフィルムスクエア 富士フィルムフォトサロンにて開催。



by rutsu_tobii | 2010-12-18 22:36 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)

お年寄りと現代アート

最近、新たな好奇心とネットワーク開拓に、いろんな種類の集まりに顔を出すようにしているのですが、先週は漢文学者の白川静氏の定期勉強会に参加してきました。毎回、白川氏が亡くなる直前まで行っていた講義をまとめた『文字講話』のDVDを観て感想を語るといった内容。講義の当時92歳という年齢にもかかわらず、しっかりと壇上に立ち、複雑怪奇な古代の亀甲文字をスラスラと書き、巧みな話術で人を惹きつけながら講義する白川氏のお達者ぶりに、いつも驚きます。

そんな白川氏が講義『生活と医術』で、現代の憂うべき問題として挙げたのが高齢化。「老齢者も若者も、決して人生の最期まで介護を受ける気持ちでいてはならない。いつまでも元気でいるためには、年齢にとらわれるべきでないのです」と、老いに対する毅然とした態度を示していたのが印象的でした。実際、亡くなる96歳まで現役で仕事を続けていたそうです。

 もうひとつ最近、定期的に参加している野口体操の創始者の野口三千三氏は、すでに亡くなっているものの、やはり80歳過ぎても現役で活躍されていた方。野口体操は、体に関する固定観念をはずして、柔軟性を高めるという方法に、白川氏との共通の姿勢を感じます。
「もう歳だからできない」とか「私は体が固いから曲がらない」といった、思い込みをとる。世間でいわれている常識から離れて、老いても元気なおじいちゃん、おばあちゃんたちの姿をみるのは痛快です。

誰もが年をとり、例外なく考えなくてはならない高齢化問題。深刻化が心配ですが、少し前にツイッターでアートの力で若返ったおばあちゃんの話が紹介されていました。ワンダーおばあちゃん。フランスの写真家がいつも寂しそうにしている91歳の祖母にコスプレをさせて写真を撮ってあげたところ、すっかり元気になり、今では世界中に友達をもつまでになったという話。
以前、現代アーティストの村上隆氏にインタビューした際に、アートの制作に仕事をリタイアした年配の方々に参加してもらう構想についてうかがったことがあるのですが、「お年寄りと現代アート」というマッチング、夢があるのではないでしょうか。

年齢にかかわらず、楽しいことをやっている人は心も体も元気。まずは自ら「固定観念」をはずして高齢化社会について考えてみると、明るい未来に繋がる気がしました。



by rutsu_tobii | 2010-12-17 10:10 | アート&デザイン | Trackback | Comments(0)
トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
by rutsu_tobii
プロフィールを見る

最新のコメント