トビイ ルツのTraveling Mind

世界遺産シンポジウム

最近、「大人の社会見学」と称して、工場の建築物を見てまわるツアーや関連ガイド本が人気を集めてますね。構造も露なむき出しの鉄骨とか、規則正しく並んでいる煙突に、無機的な建築の美しさを感じるフェチなファン(笑)もいれば、「何かをここで生み出しているんだ!」みたいなパワーが感じられて、眺めているのが好き、という方も多いのではないでしょうか。

先日、『九州・山口の近代化産業遺産群の世界遺産シンポジウム』なるイベントが都内ホテルで行われ、サポーターの由布院美術館の館長の高橋さんのお誘いで、お話を聞きにいきました。

北九州の八幡製鉄所、三井田川鉱業や、地方有力者の住居跡地など、山口〜福岡〜鹿児島を結ぶ線上には、19世紀半ばから20世紀初めの西洋文化から東洋文化の移行期に築かれた、レンガや石で築かれた美しい産業建築物が、たくさん残っているそうです。これらの工場や土木現場で働いていた当時の労働者の生活の記録も、絵や写真の形で残っています。

今回のシンポジウムは、こういった日本の近代化を支えてきた歴史ある産業や土木建築物を、世界遺産にぜひ登録してもらおう!と行われたもの。政府省庁や関係各県の自治体の方々が多く参加されていたようですが、シンポジウムの最後に、炭坑の町、筑豊の田川市長さんが「日本の発展の基礎を支えてきた工場やそこで働く人々の記録を遺産として残そうという動きは、人々が『心の文化』を重視してくれているようでうれしい」というようなことをお話し、なるほど、と思いました。

昨年の秋の金融危機以降、社会でも個人レベルでも、労働の概念や、本当の豊かさを見直す動きがある今、100年ほど前に炭坑や工場で汗水たらして働いていた労働者の苦労が、現在の日本の発展につながっている、ということを認識するのは、価値あることに思えます。

たまたまSEEDONCLOUDの展示会を見た後に、このシンポジウムでお話を聞いたのですが、ちょうど時代もシンクロしてますね。きっと、この時代の労働は、記憶されるべき人間の美しい姿なのでしょう。
世界遺産シンポジウム_d0069964_21183030.jpg

下関市の水族館『海響館』のPR女性『ペンギンシスターズ』もご出席。
なんか、盗撮みたいなやらしい感じでスミマセン...(笑)



by rutsu_tobii | 2009-10-24 22:00 | カルチャー

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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