トビイ ルツのTraveling Mind

ルネ・マグリット大回顧展

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アルベルティーナ美術館で、ベルギーのシュルレアリスムの画家、ルネ・マグリットの大回顧展が始まりました。日本やベルギーですでに多くのマグリットの作品は観ていたのですが、今回はめったに公開されないような、世界からの個人所有のコレクションも含め250点も公開されるとのことで、足を運んだ次第。

初期の作品から順を追って展示されているのですが、画風が変化しているのがよくわかります。
個人的に興味深かったのは、マグリットが画家として成功していながらも、意外なほど長年に渡ってグラフィック・アーティストとして、広告や装丁などの商業的な作品を手がけていたこと。画家としての作品とは全く異なる当時の流行を意識したスタイルの、さすがにセンスのいい作品ばかりでしたが、商品広告や出版物に関わることで変化を続ける社会を観察しながら、何らかの画家としてのテーマのインスピレーションを受けたのかな、と思いました。

おなじみのシルクハットにスーツ姿のマグリットのセルフポートレートは、とてもスタイリッシュ。それを見て、ベルギーのコミック漫画博物館で見た、同じく英国風のスーツをおしゃれに着こなした、ベルギーの有名なコミック漫画『タンタン』の作者のエルジェの写真を思い出しました。エルジェもマグリットとほぼ同時期にブリュッセルで生まれて活躍したアーティスト。おりしもベルギーが世界に誇る二大巨匠は、産業革命や2度の世界大戦によるドイツ占領、戦後の世界経済とリベラル文化の発展といった、ベルギーの大激変期に登場しているのですね。

特に戦争という異常な状況の中でも創作活動を続け、傑作とよばれる作品をその時期に生み出している両アーティストの忍耐や精神力は、すごいものがあります。ピンチはチャンスなのでしょうか。

ちなみに絵とタイトルが全く噛み合ない、不可解なシュルレアリスム作品に悩みたくない方は、オーディオ解説のレンタルをお薦めします。

ルネ・マグリット展は2012年2月12日まで、アルベルティーナ美術館で行われています。



by rutsu_tobii | 2011-11-14 22:06 | アート&デザイン | Comments(0)
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