トビイ ルツのTraveling Mind

クリムト素描画展

今年はクリムトの生誕150周年記念で、ウィーン市内のあちこちの美術館で大規模な回顧展が行われているのですが、その中のひとつアルベルティーナで開催中の展覧会に足を運んできました。
本当は同じ場所で行われていた『印象派絵画展』の方がお目当てで、すでに以前にたくさん作品を観ていたクリムトの作品展にはあまり興味なかったのです。が、観て大正解でした!というのも、アルベルティーナで行われていたのはクリムトの素描画展、鉛筆やチャコールなどで描かれた主に人物のスケッチ画の展示だったのです。

クリムトというと、金をふんだんに使った豪華な絵画を連想する人がほとんどと思いますが、彼が描く、見る人を惹きつけるリアルな人物の表情、体の動きの巧みな描写は、やはり基本となる膨大な数のスケッチがあってこそ。会場に入ってすぐ、額に手をあてた憂いのある表情の女性の素描画があるのですが、その最初の1枚からすでに絵の放つ生々しい、リアルな色気にくらくらします(笑)。

クリムトはたくさんの女性をアトリエに招いて、裸婦のスケッチを描いていたようですが、モデルとの距離感、観察に熱中するクリムトのライブ感がシンプルな線から感じとれる素描画は、まさに「LESS IS MORE」な世界観。
(巨匠クリムトの話で自分のことを語るのは僭越ですが)私も自分のイラストで最初のスケッチ画、鉛筆で描くラフの下絵が一番好きです。制作過程の最初のイラストは、何も計算せず、気負いもなく、のびのびと、それでいてイラストに込める情熱や愛着がレア(生)というか素朴に表れるからです。時にインクで上描きし、色をつけていくと、だんだんそのレアな感情も上塗りされ、隠されて見えなくなってしまうように感じる時もあります。きっと多くのアーティストが経験あることでしょう。

ちなみに、本来のお目あてだった『印象派絵画展』、こちらもお薦めです。モネ、マネ、ドガ、スーラ、ロートレックなど、そうそうたるフランス絵画の巨匠たちのパステルや水彩画を集めた展覧会ですが、こちらもアーティストたちの素顔に近い薄化粧な作品の多くを観ることができます。クリムト展との流れで観ても違和感がないので、美術館全体で調和のとれたキュレーションです。GWの旅行でウィーンに来る方はぜひ、美術館内の作品をまるごと楽しんでいってください。



by rutsu_tobii | 2012-04-20 22:15 | アート&デザイン | Comments(0)
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