トビイ ルツのTraveling Mind

素顔のクリムト展

7月14日に生誕150周年を迎えたばかりの画家のクリムト。クリムト・イヤーの数々の特別な展覧会を見逃すのは、やはり惜しいだろうと、レオポルド美術館で開催中の『KLIMT PERSÖNLICH 素顔のクリムト展』に行ってきました。タイトルどおり、クリムトのプライベートに焦点をあてた内容で、なにしろ展示物は彼の絵よりも、生涯のパートナーである女性、エミーリエ・フレーゲ宛に送った手紙やハガキの方が多いのです。ですので、クリムトの作品を観たい人には、ちょっと期待はずれになってしまうかもしれませんが、二人の関係は作品のエピソードに欠かすことはできないため、その点で大変興味深いものとなっています。

知り合って亡くなるまでの20年間、クリムトの最愛の女性はフレーゲだったそうですが、生涯独身だったものの、絵のモデルの女性2人との間に6人もの子供がいたという彼。フレーゲも、よくクリムトに愛想を尽かさなかったな、と普通なら考えるのですが、そもそも恋愛関係ではなかった説もある、謎の多い関係です。

展覧会の目玉は、400点にものぼる、クリムトがフレーゲ宛に国内外のあちこちの滞在先から送った、ポストカードの書簡や日常的な手紙で、長い時間かけてじっくり読んで鑑賞しました。フレーゲはクリムトが亡くなった後、彼からの手紙はすぐに全部焼いてしまったと聞いていたのですが、後に発見された奔放初公開のものばかりだそうです。

手紙や葉書の内容は、わりとたわいもないこと、劇場のチケットがとれたから何時に会おうとか、旅先でどのように過ごしているのかの報告、仕事の進み具合などですが、そこからわかるのは、クリムトが大変、仕事熱心であったこと、あちこちへ旅をし、常にフレーゲにあらゆる出来事を報告していたことです。フレーゲも当時の流行のファッションを扱う洋品店を営むキャリア女性として、旅が多かったようですから、ウィーンいるクリムトから、旅先にいる彼女宛のものも多数あります。

多くのクリムトの手紙の書き出しが、特徴のある大胆な筆跡で「Lieve Emilie!(親愛なるエミーリエ!)」と、かならず「ビックリマークつき」で記されていたのが、とても微笑ましく、印象的でした。彼がフレーゲを心の拠りどころとしていたのは、間違いないようです。

ところで、今回の展覧会で、クリムトの子供たちが成長後、どのような職に就いたかなどまで明らかにされていたのですが、どうやら画家になった方はいらっしゃらなかったよう。一人、映像の仕事をされている人はいたようですが、現在も血縁は続いているのですね。ウィーンに住んでいるのかはわかりませんが、身近にクリムトの子孫がいたらびっくりするだろうな...

とまあ、そんなことまで赤裸裸にされてしまったいる「素顔のクリムト展」は、8月27日までです。

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by rutsu_tobii | 2012-07-18 23:52 | アート&デザイン | Comments(0)
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トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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