トビイ ルツのTraveling Mind

街中の要塞

往々にして、大通りをそれた脇道や小路というものは、意外な発見があって楽しいもの。賑やかなショッピングストリートにあたるマルアヒルファー通りも、横道に入っていくとサブカルチャー色の強いノイバウ地区をはじめ、歴史的な建物や個性的なファッションの店がいくつも見つかる、街歩きが楽しい地区です。

そのマリアヒルファー通りから見える距離の脇道の先に、ひときわ巨大で重厚な建物があります。常々、その姿が気になっていたものの、一度も側を通ったことがなかったのですが、近くまで行ってみると、やはり今まで見えてこなかったものが見えてきました。
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変わった形をした建築物ですが、なんと人が壁面を登っています。ロッククライミングができるようになっているのです。

それにしても、美しく装飾的な建物が並ぶ街中に、まったく似つかわしくないコンクリートの固まり。不思議に思っていたのですが、聞けばヒトラーの占領時代に作られた要塞だそうです。
ウィーンの街にはこれと似た建物がいくつかあるのを思い出しました。陶磁器を見に訪れたアウガルデンの公園内の建物、そして、以前訪れた友人宅のすぐ側にあるアレンベルグ公園内にあった建物も、いわば「兄弟」にあたる要塞でした。
友人はそれらを「解体するには丈夫に出来すぎていて、どうすることもできない」と説明していたのですが、実際、壁の厚さが2.5〜3m以上もあるそうで、近くまでいくとかなりの威圧感を覚えます。まさに「コンクリートの岩山」という感じ。アウトドア好きのオーストリア人のためには、クライミングの練習場の再利用はぴったりだったのではないでしょうか。中は水族館として利用されているそうです。

悲しい戦争の負の遺産ですが、人々の知恵で、今はエンタテイメントに利用されているのは幸いなことですね。



by rutsu_tobii | 2012-08-24 23:30 | 海外の旅

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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