トビイ ルツのTraveling Mind

nackte-manner展

昨日は、たくさんの男性のハダカを観ました...いえ、芸術の話ですよ(笑) 日本では人気写真家が撮影した男性ヌード写真がワイセツと見なされるお国柄に対し、ここオーストリアでは公立美術館で老若男女、年齢制限なしに鑑賞するれっきとしたアートです。しかも、大人気!
レオポルド美術館で開催中のnackte-manner展。一言でいうなら、「アートの裸の歴史」、1800年代から現在まで、アートのテーマとして男性ヌードがどういう風に変遷してきたのか、興味深く見せてくれます。

古くは紀元前のエジプトの王の彫刻や旧約聖書にはじまり、男性ヌードは、神話の世界にも観られるような崇高な神的イメージでした。いやらしいどころか、厳かだったのですね。絵画でも神聖化や英雄視の手法として、わざわざ男性をハダカにして描いていたりしていた訳です。1900以降の近代に入り、ウィーン出身のエゴン・シーレのように男性画家がヌードのセルフポートレートを描くことで、従来の人物画/自画像から進化した、新しい表現イメージを作り出しました。とはいえ、この時代ウィーンでもあからさまにヌードを表現することはタブー視されていて、クリムトのセセッションの作品も「修正」を余儀なくされていたのは有名な話ですね。(会場では、「修正前」と「修正後」のポスター作品が展示されてました。笑)
時代は進み、1960年代のウーマンリブの台頭以降は、女性からのカウンターパンチ的、カウンターカルチャーと申しましょうか、女性アーティストが男性ヌードをやらしい目線やら、シニカルな目線で作品にするものもたくさんでてきました。そして「男性ヌードは芸術」ときれいごと(?)ばかり認めてもらえないような、男性ヌードが「欲望の対象」としても鑑賞される現在に至るわけです。

キュレーションの妙といいますか、女性ヌードとは異なる男性ヌード/男性性の変遷が、楽しくわかりやすく観れるおかげか、展覧会は世界的にも反響をよんでいる模様。先日はドイツのヌーディスト集団が全員ヌードで展覧会を鑑賞したのだとか。大好評の結果、会期は3/4まで延長されたそうです。
日本にも巡回するといいと思うのですが、たぶん無理そうなので(笑)、もし会期中にウィーンにお越しの方は自分のキャパを広げるため、話のタネにぜひどうぞ。



by rutsu_tobii | 2013-02-22 12:00 | アート&デザイン

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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