トビイ ルツのTraveling Mind

チェスキー・クルムロフの旅 #2

5月〜6月にかけての長雨で、チェコも首都プラハを始め、ヴルタヴァ(モルダウ)河の大洪水に見舞われた場所がありましたが、幸いチェスキー・クルムロフは無傷だったようです。夏の観光旅行のピークシーズンの週末とあって、小さな街は大賑わい。特に日本を含め、中国や韓国などアジア人の観光客の多さにはびっくりしました。店やレストランでは英語やドイツ語もよく通じる上、買い物もユーロでOKでした。(チェコはEU加盟国ですが貨幣はまだチェココルナ)。

小規模ながら国際的観光地ゆえ、ホスピタリティも万全で不自由なくくつろげましたが、さすがに生活感がなくチェコの中でも特別な場所。今回は移動に電車を利用し、しかも乗り遅れのアクシデントのおかげ(?)で出会った素顔のチェコ人たちが印象に残りました。
チェコといえば、いまだにかつての社会主義時代の建物や社会システムが色濃い国です。チェスキー・ヴォロニチェというオーストリアの国境に一番近い、小さなローカル駅で2時間ほど乗り換え電車を待たなくてはならなかったのですが、駅舎の建物もオーストリアとは雰囲気がらりと一変。あまり電車も止まらない駅らしく、切符売り場には女性の職員が一人と、構内を走り回るジプシーの男の子たちだけ。彼らを「ここじゃなくて外で遊びなさい!」とお母さんのごとく叱りつけていました。(笑)社会主義時代の平等思想のおかげと思いますが、チェコでもたくましく働く女性が目立ちます。行きも帰りも乗車した駅の職員や車掌もすべて女性。トイレを借りたガソリンスタンドのスタッフも女性でした。
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もうひとつの乗り換えの駅、チェスキー・ブドヴォビッチもどんな場所が検討もつきませんでしたが、車内で乗り合わせた地元の乗客によると、主要産業が『鉛筆』。なんと生産量が世界一という事実を知ったのでした。仕事道具に鉛筆がかかせない私としては親近感が湧きます。原料の木炭はボヘミアの豊かな森からもたらされるのかもしれませんね。

帰りの電車では、とても英語の堪能なチェコ人のおじいさんとお話する機会がありました。エンジニアとして働いている彼は、英語を勉強して退職後、チェスキー・クルムロフでガイドとして働くことを計画しているのだとか。英語以外にもフランス語やスペイン語を話せるそうですが、共産党の管理下で公に外国語を学ぶ機会は当然なく、すべてラジオや新聞から独学したそうでした。特に英語は大好きなジャズ音楽の歌詞の内容が知りたくて、一生懸命、勉強したそうです。語学を勉強するのに、一番、理想的で純粋な動機ですね。素晴らしい!

彼はチェコのネチャス首相や官僚の腐敗について心配していましたが、奇しくも同じ日、日本の安倍総理大臣と東欧首脳会談で一緒に会議した直後、辞任を発表した模様です。おじいさんは、チェコがまたかつての共産党時代にような社会に戻ってしまうのでは、と心配していました。ビロード革命、EU加盟を経て順調に発展しているように見えるチェコも、外からはわからないことがたくさんありそうです。

帰りの電車では、トラブルがないように祈っていたのですが、今度はチェコからオーストリアに入る電車がなぜか不通。オーストリアの国鉄が用意した迎えのバスで、チェスキー・ヴォロニチェから国境を超えてオーストリアの駅に移動するという出来事があり、短いながらも最後まで中欧の田舎らしいエピソード盛りだくさんの旅でした。

後で知ったのですが、チェスキー・クルムロフには、直行のシャトルバスがウィーン、ザルツブルグ、リンツ、プラハからでているそうです。ウィーンからは片道約3時間。利用していれば、道中の苦労もなかったことと思いますが、今回の電車移動で得た知識や人との出会いもなかったでしょう。
とはいえ、次回チェスキー・クルムロフに行く機会があれば、ぜひシャトルバスで楽に行きたいと思います。(笑)
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ちなみに復路で乗ったチェコの新しい車両には、PC用の電源もついておりました。



by rutsu_tobii | 2013-06-19 19:45 | 海外の旅

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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