トビイ ルツのTraveling Mind

いりくちでくち

何の前知識もなく参加したバスで巡る国東半島芸術祭のアートツアー『いりくちでくち』。2012年の時は、数百人のキャンセル待ちが出たそうですが、気負いなくインターネットで申し込んだチケットが手に入ったのは、本当に幸運でした。今も何度も思い出して、あの日の忘れがたい体験に思いを馳せています。

ミステリーツアーのように、国東半島のどこに行くのか全くわからないツアーは、姫島行きのフェリーの船着き場から始まりました。飴屋法水氏が水先案内人。そこから国東の高校生たちが自分たちのこと、国東のことを語りはじめます。
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自然が豊かな国東半島。すぐ沖に見える姫島はジオパークにもなっています。海を渡る神秘的な蝶の話が印象的でした。
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国東には14のトンネルがあるそうです。今は使われていない暗いトンネルの入り口で、私たちを待つ小さな少女。洞窟のように浸食ででごぼこした壁に群れになって張り付いて、こんこんと眠るアシガラコウモリを見ました。
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自然に帰るのを待つ、こんなにたくさんの木。かつては人の住まいをかたちづくっていたもの。堆肥として再利用されるそうです。ここで自分だけのお気に入りの木を選んで、その後一緒に旅をします。
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「今日の日は贈り物」と何度もつぶやいてしまうほど、穏やかでいいお天気の中に降り立った弥生の遺跡村。お昼ご飯は荷車に乗せて、橋を渡り、町の女性と地元の高校生たちが運んできてくれました。竹の皮で包まれた古代米のご飯と貝汁。川辺の草の上で食べたごちそうでした。
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山道から自転車に乗った少年が現れて「自然の中には直線が存在しない」というお話をしました。ウィーンの芸術家、フンデルトワッサーによって有名になった話です。実は先週まで行っていた個展の中で、私自身、何度もゲストに話していたことなので、うれしくなりました。
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「あなたは月曜日生まれ」。生年月日を伝えたら、即座にそう教えてくれた不思議な男性と会った山奥深い山寺の境内。
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ストープで焼いた「焼きみかん」の香ばしく生暖かい果汁。夕食で食べた田染荘の新米もおいしかったなあ。
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旅の終わりは真玉海岸。夕陽の名所だけどあいにく雲で見られませんでした。今日1日、一緒に旅をした木とは、ここでお別れを告げました。

その日1日かけて、国東の人々が話してくれた彼らの毎日のこと、暮らす場所、自然のこと、海の青さ、トンネルの暗闇、あちこちで炊かれていたお香の匂い。拾った木の肌のざらつき。重さ。山道の木の葉を踏む感触。五感を通じて受け取ったそれらの記憶が、なんとも鮮やかに私の中に残っていることを今も驚いている毎日です。



by rutsu_tobii | 2014-11-26 23:59 | アート&デザイン | Comments(0)
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トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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