トビイ ルツのTraveling Mind

藤森照信&路上観察展

今週から来週にかけて、春先から行われていた展覧会で終わってしまうものが相次ぐため、駆け込み観覧が続いています。昨日は初台の東京都現代美術館で開催中の建築家・藤森照信の展覧会
に行ってきました。彼が長年、赤瀬川源平氏らの仲間と続けている、ユニークな路上観察の成果も写真や映像で見ることができます。

藤森建築といえば、木の上の小屋を作ったり、屋根がキノコみたいな形だったり、また、そこに草が生えていたり、ムーミン谷にありそうなかわいい家のイメージ。建築で工夫して使われている自然素材の感触や匂いが楽しめるように、靴を脱いで展示物を見るコーナーもあります。い草マットのいい香りのする中で座って展示映像を眺めたりすることができるのですが、すっかりくつろいで、いつまでもいたくなります。

建築や暮らしにまつわる路上や町中の気になる物体を集めた写真映像も和めます。マンホールの蓋のデザインや、富士山の模様がついた郵便ポスト、30cmくらいしかないガードレールなど、よく見るとあちこちにある日常のヘンなものを集めているんですが、ヴェネチア・ビエンナーレにも出展されたりっぱなアート画像です。思わず笑いたくなるものばかりですが。
それにしても、路上観察のグループの面々はものすごい観察をしているもので、路上に留まらず、行く先々の喫茶店で出されるコーヒーの出され方(スプーンの置き方)や、乗車切符のパンチの形までリサーチしていたのには、びっくりしました。でも、見え方次第で、世の中には興味深いことで溢れているということですね。そして、急いでいると、身近にあるせっかくのおもしろいものを見逃してしまうということを教えてくれます。
アートの鑑賞も駆け込みではなく、願わくばゆっくり楽しみたいものだと思いつつ、会場を後にしたのでした。



by rutsu_tobii | 2007-06-29 10:00 | アート&デザイン

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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