トビイ ルツのTraveling Mind

EFUTO展

大手町の「逓信総合博物館(ていぱーく)」にて行なわれていた「EFUTO展」に行ってきました。(またしても最終日)。EFUTO=絵封筒、つまり郵便物を送る際に、差出人が封筒に絵を描いているのです。約50年前に、『ぞうのエルマー』で世界的に有名なイギリスの絵本作家デビッド・マッキーとその友人たちが始めた遊びだそうですが、彼らの作品と日本の絵本作家、そして一般の方たちが作った、楽しい絵封筒がたくさん展示されていました。

ただ封筒に絵を描いたものではありません。郵便物なので、きちんと規定に沿って宛名が書かれ、相手が受け取れる状態でなくてはいけないのですが、制限の中で、切手の柄を利用したり、文字に変化をつけたり、独創的な工夫があって感心します。
出展をしていた日本人作家の方が、会場で作品について説明してくれたのですが、やはり切手の模様から描くもののアイデアがうまれることが多かったとか。その方は2か月で70通も作ったそーでしたが(!)いろんな切手を集める作業からはじめたそーです。なんても、ていぱーくでは、いろんな切手が売られ、しかも少し昔の珍しい切手も当時の値段で買うことができるのだとか。実際、館内のショップは、展覧会に刺激されたのか、切手を買い求める人で大賑わいでした。

メインの出展者でもある、イギリス在住の絵本作家きたむらさとし氏も会場にいて、少々、お話させていただきました。彼は20年以上もイギリスの他の作家や出版社の方と絵封筒のやりとりをしてきたのだそーです。今回の展覧会のために、きたむらさんが日本人の作家さんにも声をかけたことで、短期間の間にかなりの数の作品が集ったそうですが、この展覧会をきっかけに「絵封筒」が人気を集めそうな気配。
今まで手紙のサイズや文字位置など、自由があまりなかった手紙ですが、民営化の規制緩和で、アーティスティックな絵封筒が送りやすくなる環境ができるかも、との話も聞きました。実際に、今回の展覧会では、いろんな絵封筒が展覧会や主催関係者宛にたくさん送られてきたそうですが、差出人に送り返されることもなく、また作品を痛めることもなく、ていねいに配達されてきたのだとか。「切手に押すスタンプの位置も郵便局員さんが気を遣ってくれたみたい」と、出展の作家さんが話してました。とり扱う郵便屋さんもさぞプレッシャーかかったことでしょう(笑)

Eメールに押され気味の今だからこそ、手紙の価値が見直されるのだと思いますが、素敵なコミュニケーション方法ゆえムーブメントになってほしいですね。

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きたむらさとし氏の絵封筒。切手部分を絵画にみたててます。
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イギリス人絵本作家デビッド・マッキー氏の絵封筒。海外の切手はユニークなデザインのものも多くて、アーティストも作成が楽しそうですね。



by rutsu_tobii | 2007-07-09 10:00 | アート&デザイン

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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