トビイ ルツのTraveling Mind

日本の悲しい名作

京都の「一友社」から、発売されたばかりの最新刊が届きました。森鴎外の名作、『山椒大夫&高瀬船』の2本のマンガ版が掲載されています。『山椒大夫』の方は主人公の姉弟の名前「安寿(あんじゅ)と厨子王(ずしおう)」がタイトルになっている民話を、小さい頃に読んだ人もいることでしょう。『山椒大夫』は現在の福島県地方に伝わる民話をベースに、森鴎外が執筆したものだそーです。
幼い姉弟が、母と乳母と共に旅をしている最中に人買いに会ってしまい、離ればなれになってしまう悲しいお話。読んでいるうちに、昔、読んだストーリーを思い出しましたが、子供が読むにしてはあまりに切なく可哀想すぎるお話です。

日本では、子供向けでも相当、悲しいお話、不条理な話が童話やアニメで紹介されていることが多いですね。しかも、やはり子供心にはショッキングなのか、結構、鮮明に記憶に残っているものです。『フランダースの犬』はその代表みたいなものですが、お話の舞台のベルギーでは「話が子供には悲しすぎる」との理由から、地元ではまったく紹介されていなかったですし、話がハリウッドで映画化された時には、ネロもパトラッシュも死なず、アメリカ流にハッピーエンドで終わってるし(笑)、欧米社会では「悲しい気持ち」は子供にはタブーなんでしょーか。

そう考えると、悲しさ、切なさに対しては、日本人は幼い頃から培った独特の感受性があるのかもしれませんね。『高瀬船』の方も、また違った種類の悲しいお話でしたが、どちらの話も大人になってから読むと、ストーリーの時代背景や心の機微など、子供の頃にはわからなかった別の感じ方ができると思いました。日本ならではの哀切の理解できる感性は、大切にしたいものです。



by rutsu_tobii | 2007-07-18 10:00 | 仕事仲間・友人

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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