トビイ ルツのTraveling Mind

ネオ・トロピカリア展

清澄白河の東京都現代美術館で開催中の企画展&常設展を、まとめて観てきました。ブラジルの近代〜現在までのアート作品を集めた『ネオ・トロピカリア』展では、印象的な作品がいくつもありましたが、中でもリジア・パペの何本もの細い金の糸を使った繊細なインスタレーションは圧巻。この作品だけ大胆で快活なブラジルのイメージとは違うように思えたので、説明が気になります。(カタログはまだできてない模様)

ブラジルは数年前からファッションでも世界的に注目されていますが、今回は服飾や建築なども含め、あらゆる分野のブラジルの創造性が紹介されています。
関連企画で日本のイッセイミヤケのクリエイテヴィブチームも参加。ブラジルのアマゾンまで出かけていき、服の色を「カラーハンティング」(布の色を実際の自然の色と近いものを使用)してつくった洋服の作品はかなり手が込んでます。一緒に展示してあった「葉っぱから音楽が聴ける」サウンドシステムもおもしろかった。
同時開催の企画展で、写真家の森山大道氏がブラジルの街や人を撮影した展覧会も観覧。森山氏にはやはりハワイよりブラジルが似合う感じです。(笑)

鑑賞中にばったり、清澄白河の某ギャラリーの元スタッフの女性に遭遇しました。話はまたもや最近の経済が今後及ぼすであろうバブル気味だったアートシーンへの影響について。とはいえ、これもシーンを変革、淘汰するひとつの機会なのでしょう。
今回、展示作品のひとつに建築家のプロジェクトで、ブラジルのファベーラ(貧民街)の家のひとつひとつに色を塗って、地域を再生するというのがあったのですが、こんな風に、自己顕示欲の強い作品や個人の所有欲より、他人や社会の利益が優先されるのアートが増えればいいね、と最後には前向きな話で締めくくり。

常設展では最近の収蔵作品が一挙に入れ替え展示されて、充実の内容。観る時間が足りませんでした。会期は来年の1月12まで。
東京都現代美術館



by rutsu_tobii | 2008-10-25 23:30 | アート&デザイン

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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