トビイ ルツのTraveling Mind

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生き方を学ぶ

人生100年の時代、ぜひ長生きのお手本にしたいと思わせてくれるのが、近所に住むエルナおばあちゃん。92歳になる今もお達者で、ひとり暮らしする一軒家の庭の手入れを毎日かかさず、車も自分で運転して自立した生活を送っています。

彼女の自らの居住まいに気を配るだけでなく、他人に対する気遣いには度々、胸を打たれます。お家にお伺いするといつも、大切にしているアウガルテンやマイセンの素敵な食器を選んで、おいしいコーヒーとお菓子でもてなしてくれます。帰国の際は「飛行機の中で食べなさい」と、自分で焼いたApfelstrudelアプフェルストゥルーデル(リンゴのパイ)をもたせてくれたりして「まるで私の本当のおばあちゃんみたい」と感激することも度々。

この日も私の大好物のTopfengolatschenトプフェングーラーチェンを手作り。
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そして、帰る際に「遅い誕生日プレゼント」とくださったのが、庭で採れた木イチゴで作ったシロップと、自分で焼いた木の実とレーズンの焼き菓子でした。しかも美しくラッピングされ、ウィットに富んだ手書きのメッセージカードが添えられていたのです。私の書く文字よりずっときれいで丁寧(泣)。もう、号泣ものです。

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エルナおばあちゃんの整理整頓された住まいにお訪ねし、温かい人柄に触れる度に、私が彼女と同じ歳になった時に同じことができるだろうか、と考えます。今よりずっと歳をとり肉体が衰えても、自分のために身の回りをきちんと整え、他人を思いやる気持ちを表現するために手間を惜しまない。

老いに甘えず、自分と他人にきちんと向きあい、丁寧に生きる。素敵なおばあちゃんになるために、今から心がけたいことを彼女から学んでいます。






by rutsu_tobii | 2018-10-03 23:59 | ライフスタイル | Comments(0)

クリムトのお墓

友人のお墓参りのために訪れたHiezingヒーツィングの墓地で、画家クリムトのお墓を見つけました。

シューンブルン宮殿の広大な敷地に隣接する墓地。ここにはクリムトの他にも建築家のオットー・ワグナーの墓があることを、墓地で配布されていた専用地図で初めて知りました。ちなみにクリムトもオットー・ワグナーも共に今年がちょうど没後100周年。お墓参りにはいいタイミングです。

墓は住所のように区画ごとに番号が割り当てられていて、見つけやすくなっています。クリムトの墓もすぐに見つかりました。
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大きく絢爛豪華なクリムトの作品とは違って、彼の墓石のデザインは小さめでいたってシンプル。墓標の文字は、クリムトの絵のサインと同じ書体でした。

供えられた鉢植えの花には絵筆が数本ささっていて、思わずほほえんでしまいます。そこには「チェコ人はあなたを忘れない」と書かれたチェコの国旗と同じ青、赤、白の3色のリボンが結びつけられていました。クリムトのルーツはチェコ(ボヘミア)だったのですね。

お供えのキャンドルがまた素敵なのです。一般的に使われるのは、コップ状の赤い器に入ったキャンドルなのですが、白いキャンドルに手描きとおぼしき天使の絵と共にメッセージが書かれてありました。「死は肉体の限界であり、愛の限界ではない」と。

芸術への愛、ウィーンへの愛、私生活における女性たちへの愛、そして、ファンからの愛。クリムトの人生からいろんな愛が連想されますが、彼にふさわしいロマンチックなキャンドルです。クリムトの作品を鑑賞するのと同じくらい興味深いお墓参りでした。

宗教や慣習の違いもあるのでしょうが、ヨーロッパのお墓のスタイルは実にさまざま。特に個人の墓の場合、人物同様にお墓も「十墓十色」で、たとえ故人を知らなくても、お墓を見ればその人がどんな人生を送っていたのかわかるような、象徴的な姿をしています。
アート作品のような墓ばかりで、まるで美術館にいるように長居してしまうこともしばしば。故人の墓から彼や彼女らの人生に考えをめぐらせ、その度に私はどこで、どんなお墓に入るのだろうか、とぼんやり考えるのです。

ちなみにシューベルトやベートーベンなど、膨大な数のオーストリアの著名人の墓があるウィーンの中央墓地も、ウィーンの観光名所のひとつ。ここでも専用地図が用意されています。広大な敷地のマンモス墓地なので迷ったら大変ですからね!ウィーンのちょっと変わったメメントモリな旅先として、みなさんにおすすめしています。




by rutsu_tobii | 2018-09-16 23:59 | カルチャー | Comments(0)

11月に個展をします

別府の秋の恒例のアートイベント『ベップ・アートマンス』。2014年に初参加しましたが、今年再び個展で参加させていただきます。

●日時:11/18(土)〜11/26(日)10時〜17時 (会期中無休)
●別府・鉄輪(かんなわ)『冨士屋Gallery ー也百はなやもも』 

●絵本『しまうまシリーズ』の原画展(1階)
3月に発売になった『しまうまシリーズ』の最新刊『どうぶつがっこう とくべつじゅぎょう』の原画を含む、全5作品の原画を展示します。
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●『MY MUSEUM ウィーン2』銅版画・水彩画展(2階)
同時開催は、2015年に行った個展『MY MUSEUM ウィーン』に続き、ウィーンのミュージアム(美術館や博物館)で見つけた私のお気に入りの作品から得たファンタジーが、作品づくりのテーマ。今回は8月に電子書籍で出版した『MY MUSEUM私のミュージアム訪問記〜ウィーン編〜(I)』に関連して、本文で紹介しているミュージアムの印象的な作品や訪問時の想い出が、インスピレーションになっています。
本の内容とリンクしていますので、紙の書籍の挿絵を楽しむような感じで、繊細で色鮮やかなイラストを原画を間近にご覧ください。

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『ベップ・アートマンス』ということで、別府に関連した新作イラストも数点展示予定。

まったくテーマも絵のスタイルも異なる2本立ての個展。私自身、大変楽しみにしております。
11月は、アートと温泉を楽しむ別府の旅をご計画ください!






by rutsu_tobii | 2017-10-03 23:00 | アート&デザイン | Comments(0)

ウィーンのホイリゲ

全日空の機内誌外国語版『WINGSPAN』10月号で、ウィーンのホイリゲ(ワイン居酒屋)についてのイラストエッセイを担当しました。
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私がウィーンで最も気に入っていることのひとつは、都市部と豊かな自然の距離がとても近いこと。賑やかな街中から地下鉄やトラムで2、30分も移動すれば、ワイン畑が広がっています。日当りのいい丘にある長閑なワイン畑の斜面から、眼下に広がるウィーンの街中の景色を間近に眺める度に、「なんてウィーンは恵まれた場所なのでしょう」と、感激します。その上、そんな絶景を楽しみながら、地元の仲間や時に見知らぬ人たちと楽しくワインが飲めるなんて、そこは「天国」に違いありません(笑)。
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ウィーンの秋は、そんな幸せを楽しむ季節。自然の中をハイキングしながらホイリゲが提供するワインが飲める『ワインハイキング』をはじめ、ウィーン近郊ではワインにまつわるいろんなイベントが行われています。

お祭りのようなイベントも楽しいですが、それ以上にホイリゲが、特にウィーンの郊外に暮らす人々の日常の大切な場所になっていることが、私にはとても興味深く、魅力的なことでした。

ワイン居酒屋といえども、小さい子供を連れた家族連れから、犬と一緒に散歩の途中に立ち寄る老夫婦まで、さまざまな人々が集まる様子は、むしろ「ワインファミレス」とよびたいくらいカジュアルでオープン。住宅地の中にひっそりとたたずむ隠れ家のようなホイリゲでは、観光客らしき人々はあまり見かけませんが、それだけに旅行者にとって新鮮な体験になると思います。
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私が今回、記事内でご紹介したのは、観光客にも人気のカーレンベルグKahlenbergやドナウ川寄りではなく、高い評価の老舗ホイリゲが集まるマウワーMauerや、オタックリングOttakring近郊。この秋は、地元の人々に混じって大きなテーブルを囲みながら、新酒のワインをぜひ楽しんでみてください。







by rutsu_tobii | 2017-10-01 12:00 | 文章の仕事 | Comments(0)

ウィーンのビーチとダンシング・ハウス

海のないオーストリアですが、ウィーンには夏になるとどこかしらに砂浜が出現するようで、今年もひとつ新たなビーチに友人たちと夕涼みに行ってきました。

シュウェーデンプラッツまたはミッテ駅から徒歩ですぐのHerman's Bar。リクライニングチェアが並べられた砂浜の上で、運河周辺のビルの夜景を楽しみながらお酒や軽食が楽しめます。
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今まで気がつかなかったのですが、カラフルなネオンが輝くビルはプラハにある「ダンシング・ハウス」の建築物にそっくり。スカートを広げて踊っている女性と男性のように寄り添って建っている、プラハでは通称ジンジャー&フレッドとよばれているビルです。
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同じコンセプトで造られたビルなのかは定かではありませんが、舞踏会をはじめ踊りの文化があるウィーンにはぴったりのデザインの建築物だな、と思いました。(ちょっとスカートの広がりが足りませんが...)

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8月も今日でおしまい。ウィーンの夏が過ぎていきます。




by rutsu_tobii | 2017-09-01 05:26 | 海外の旅 | Comments(0)

ホッキキョクグマの華麗な泳ぎ

秋のような爽やかな日が続いていた先週、ひさしぶりにシューンブルン動物園を訪れました。

園内ではここ数年、常にどこかしら改装工事が行われていたのですが、キリンさんの敷地もすっかり整い、森の中の吊り橋もすっかり完成していて、万全体制で夏休みに訪れる大勢の客たちを迎えていました。

そして今回、今までお留守だったりお休み中で見れなかった動物たちをたくさん観ることができたのです。
その中のひとつが、ホッキョクグマ。


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水中を悠々と泳ぐ姿を初めて間近に観れて、大興奮。きれいな動画も撮れたのですが、こちらのブログでは動画に対応していないので、ドクター・しまうまのTwitterのアカウントでご覧ください。

日本にいるクマはたいてい森の中か、水辺にいるクマでも川で鮭をとっているイメージくらいしかなかったので、クマ、しかも白いクマが水中を泳いでいる様子はなんだか現実とは思えず、とても幻想的に感じました。

また新しいお話のインスピレーションになりそうです。




by rutsu_tobii | 2017-08-30 23:30 | 海外の旅 | Comments(0)

ウィーン国立図書館プルンクザール

「世界一美しい図書館」といわれるウィーン国立図書館の大広間(プルンクザール)。以前にもブログでご紹介しましたが、16世紀からの蔵書20万冊が納められているという、バロック様式の豪華な図書館です。

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今時の言葉でいうなら世界一「インスタ映え」するスポット。

ウィーン市内のミュージアムや観光スポットでは、多くの場所がフラッシュなしでの写真撮影なら許可されているようですが、この図書館でも多くの人々が撮影に夢中になっていました。何度来ても飽きることなく見惚れてしまいます。

天井画はトロンプイユだったことに初めて気がつきました。
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開催中の企画展は、設立300年を迎えたという秘密結社「フリーメーソン」の特別展。
なぜここで?と不思議に思いましたが、考えてみたらウィーンにゆかりのあるモーツァルトやハイドンもメンバーだったのですね。

今回の展覧会ではメルケル首相のような大国の首脳やブラッド・ピットのような有名芸能人もメンバーとして紹介されていて「秘密結社というわりにはオープン」な印象。

図書館の一角には歴史的な印刷物が常設されています。マクシミリアン1世の子供時代の教科書やミニアチュール本。よく見るとそれぞれ「ファクシミリ」のクレジットがありました。
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ファクシミリとは何ぞや? 
そう疑問に思われた方は、ぜひとも拙著『MY MUSEUM私のミュージアム訪問記〜ウィーン編(I)〜』のアルベルティーナ美術館の章をチェックしてみてくださいね!






by rutsu_tobii | 2017-08-29 23:00 | 海外の旅 | Comments(0)

アルベルティーナ美術館(III)

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写真展などの企画展や常設展、見所の多いアルベルティーナ美術館ですが、個人的に大好きなのはハプスブルク家の私邸として使用されていたお部屋の数々。入口から大広間にかけてギリシャ神話の神々の彫像が立ち並んでいます。狛犬か仁王像のように入口を挟んで建つのはエウロペとエラトー。なぜこの2人なのかしら? 西洋の古典美術には神話と聖書の題材にしたものが多いので、もっと勉強しなくちゃなーといろいろと疑問をもつたびに思います。



by rutsu_tobii | 2017-08-28 23:00 | 著作本 | Comments(0)

アルベルティーナ美術館(II)

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ウィーンの町中のあちこちにあるソーセージスタンド、ホットドック屋さん。
地元の友人によると、おススメの意見はいろいろと分かれるところですが、アルベルティーナ美術館のすぐ側にあるBitzingerヴィッチンガーはとても人気がある店のひとつ。ソーセージの皮がパリっと焼き上がっていて美味。フレッシュな黒パン付きのチーズ入りソーセージ、Kasekrainerケーゼクライナーがオススメです。





by rutsu_tobii | 2017-08-27 23:00 | 著作本 | Comments(0)

アルベルティーナ美術館(I)

『MY MUSEUM 私のミュージアム訪問記〜ウィーン編(I)』の一番はじめに紹介したアルベルティーナ美術館



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勝手ながら「デートにぴったり」とロマンチックなステキ美術館としてご紹介しましたが、この美術館の側には「これぞウィーン」というような観光スポットが集まっています。「ホテル・ザッハー」の前には、今日も30度を超える暑さもものともせず、チョコレートケーキの「ザッハー・トルテ」を求める人々の長いの列ができてました。

ウィーン国立オペラ座は7、8月はオフシーズンですが、もうすぐ華やいだ装いの人々が戻ってきます。

アルベルティーナ美術館のテラスからアクセスできる庭園ブルクガルテンには、ユーゲント・シュティールの建築が見物の温室パルメンハウスがあります。この温室の中には「蝶の家」という、いろんな種類の蝶が飛んでいる博物館が入っているのですが、残念ながら夏の訪問は蒸し風呂状態なのでオススメできません。そのかわり暖かい時期には、外のテラスで庭園を眺めながら食事やコーヒーを楽しむことができます。お買い物スポットが集中するケルントナー大通りもすぐ側。少なくとも女子の欲望をすべて満たす、なんとも贅沢なロケーションにある美術館なのです。





by rutsu_tobii | 2017-08-27 06:00 | 著作本 | Comments(0)

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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