トビイ ルツのTraveling Mind

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生き方を学ぶ

人生100年の時代、ぜひ長生きのお手本にしたいと思わせてくれるのが、近所に住むエルナおばあちゃん。92歳になる今もお達者で、ひとり暮らしする一軒家の庭の手入れを毎日かかさず、車も自分で運転して自立した生活を送っています。

彼女の自らの居住まいに気を配るだけでなく、他人に対する気遣いには度々、胸を打たれます。お家にお伺いするといつも、大切にしているアウガルテンやマイセンの素敵な食器を選んで、おいしいコーヒーとお菓子でもてなしてくれます。帰国の際は「飛行機の中で食べなさい」と、自分で焼いたApfelstrudelアプフェルストゥルーデル(リンゴのパイ)をもたせてくれたりして「まるで私の本当のおばあちゃんみたい」と感激することも度々。

この日も私の大好物のTopfengolatschenトプフェングーラーチェンを手作り。
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そして、帰る際に「遅い誕生日プレゼント」とくださったのが、庭で採れた木イチゴで作ったシロップと、自分で焼いた木の実とレーズンの焼き菓子でした。しかも美しくラッピングされ、ウィットに富んだ手書きのメッセージカードが添えられていたのです。私の書く文字よりずっときれいで丁寧(泣)。もう、号泣ものです。

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エルナおばあちゃんの整理整頓された住まいにお訪ねし、温かい人柄に触れる度に、私が彼女と同じ歳になった時に同じことができるだろうか、と考えます。今よりずっと歳をとり肉体が衰えても、自分のために身の回りをきちんと整え、他人を思いやる気持ちを表現するために手間を惜しまない。

老いに甘えず、自分と他人にきちんと向きあい、丁寧に生きる。素敵なおばあちゃんになるために、今から心がけたいことを彼女から学んでいます。






by rutsu_tobii | 2018-10-03 23:59 | ライフスタイル | Comments(0)

ザルツブルクの朝市

「GO WEST(西へ)」といえば、アメリカの西部開拓の合い言葉。個人的には80年代のペット・ショップ・ボーイズのカバー・ヒット曲が思い出されますが、そんな懐メロなど口づさみながら、ウィーンの西駅から私鉄に乗って西に向かうこと2時間半。到着したのはザルツブルクです。

アメリカの西部は金で栄えましたが、ザルツブルクはその名の通り「Salzザルツ=塩」の町。その昔、近郊の山から掘り出した岩塩は肉の貯蔵に重宝され、世界中に輸出されたことで町に莫大な富をもたらしたそうです。実際、塩は金と同じほどの価値を持っていた時代もあったのだとか。

ザルツブルクの町中に移動すると、ちょうとミラベル宮殿の正門前にある教会付近で大規模な市場が行われていました。週に1度、毎週木曜日に行われている地元の市場だそうで、せっかくなので少しのぞいてみました。

教会の周囲をとり囲むようにチーズや肉、野菜やパンなどの生鮮食品や日用品の市がずらりと並び、たくさんの人出で大混雑。民族衣装のディアンドル姿で買い物する地元の人々も多くみかけました。
屋台で売られている食べ物のシズル感がすごく、何から何までおいしそう!特に人気を集めていたのは揚げたてのBackhendl バックヘンデル(フライドチキン)。お店の人が紙に包んで渡してくれる熱々のチキンを、人々が手づかみで必死にかぶりついている様子は迫力があります。

 ホカホカ湯気がたっている川魚のスープや、グラスでゆっくり楽しむ地ワイン、蜂蜜、ハムやソーセージ類などウィーンとはまた違った品揃えと雰囲気の地元の市場は、まさに西で新たに発掘した楽しみ。またの機会にぜひゆっくり開拓したいです。
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ちなみにバックヘンデルですが、私も食べてみました。衣はシンプルな味付けで塩分控えめ。おみやげついでにザルツブルクのお塩も買って利用するとよいかもしれません。





by rutsu_tobii | 2018-09-21 23:59 | 海外の旅 | Comments(0)

長崎の旅を紹介

全日空機内誌国際版WINGSPAN4月号に、長崎旅行のイラストエッセイの記事が5ページにわたって掲載されています。
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長崎市は鎖国時代も日本の窓として、海外との文化・経済交流の長い歴史をもつ場所。日本、中国、南蛮文化が溶け合った「和華蘭(わからん)」とよばれるスタイルのブレンドが、建築や食など至るところで感じられるエキゾチックな町です。

今回は、世界遺産にもなっているグラバー園、丸山の老舗料亭「花月」での卓袱料理、復元中の出島で体験した「ベストブレンド」をご紹介しています。

グラバー園では人気のレトロドレスのレンタルと撮影を体験。最近、多くの観光地で人気のコスチュームレンタルですが、実際に体験してみると旅ならではの「非日常感」が倍増します。
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史跡料亭「花月」では、堂々とした店構え、お料理はもちろんのこと、卓袱料理にまつわるさまざまなお話を丁寧に解説してくださった仲居さんのおもてなしに、日本のよさを感じる場所でした。
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そして一度は姿を消してしまったものの、復元で次第に当時の姿を取り戻しつつある出島。ここでも着物のレンタルが大人気で、和装姿の外国人旅行客や日本人の修学旅行生たちが交流し、観覧を楽しむ姿は当時の様子を再現するようで印象的でした。

旅行も「コト(体験)消費」が人気といわれますが、旅先という舞台の世界感に浸り、人々と混じり合う体験は楽しいもの。新しい発見のあった旅でした。




by rutsu_tobii | 2018-04-07 12:00 | 文章の仕事 | Comments(0)

ウィーンのホイリゲ

全日空の機内誌外国語版『WINGSPAN』10月号で、ウィーンのホイリゲ(ワイン居酒屋)についてのイラストエッセイを担当しました。
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私がウィーンで最も気に入っていることのひとつは、都市部と豊かな自然の距離がとても近いこと。賑やかな街中から地下鉄やトラムで2、30分も移動すれば、ワイン畑が広がっています。日当りのいい丘にある長閑なワイン畑の斜面から、眼下に広がるウィーンの街中の景色を間近に眺める度に、「なんてウィーンは恵まれた場所なのでしょう」と、感激します。その上、そんな絶景を楽しみながら、地元の仲間や時に見知らぬ人たちと楽しくワインが飲めるなんて、そこは「天国」に違いありません(笑)。
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ウィーンの秋は、そんな幸せを楽しむ季節。自然の中をハイキングしながらホイリゲが提供するワインが飲める『ワインハイキング』をはじめ、ウィーン近郊ではワインにまつわるいろんなイベントが行われています。

お祭りのようなイベントも楽しいですが、それ以上にホイリゲが、特にウィーンの郊外に暮らす人々の日常の大切な場所になっていることが、私にはとても興味深く、魅力的なことでした。

ワイン居酒屋といえども、小さい子供を連れた家族連れから、犬と一緒に散歩の途中に立ち寄る老夫婦まで、さまざまな人々が集まる様子は、むしろ「ワインファミレス」とよびたいくらいカジュアルでオープン。住宅地の中にひっそりとたたずむ隠れ家のようなホイリゲでは、観光客らしき人々はあまり見かけませんが、それだけに旅行者にとって新鮮な体験になると思います。
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私が今回、記事内でご紹介したのは、観光客にも人気のカーレンベルグKahlenbergやドナウ川寄りではなく、高い評価の老舗ホイリゲが集まるマウワーMauerや、オタックリングOttakring近郊。この秋は、地元の人々に混じって大きなテーブルを囲みながら、新酒のワインをぜひ楽しんでみてください。







by rutsu_tobii | 2017-10-01 12:00 | 文章の仕事 | Comments(0)

ウィーンのビーチとダンシング・ハウス

海のないオーストリアですが、ウィーンには夏になるとどこかしらに砂浜が出現するようで、今年もひとつ新たなビーチに友人たちと夕涼みに行ってきました。

シュウェーデンプラッツまたはミッテ駅から徒歩ですぐのHerman's Bar。リクライニングチェアが並べられた砂浜の上で、運河周辺のビルの夜景を楽しみながらお酒や軽食が楽しめます。
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今まで気がつかなかったのですが、カラフルなネオンが輝くビルはプラハにある「ダンシング・ハウス」の建築物にそっくり。スカートを広げて踊っている女性と男性のように寄り添って建っている、プラハでは通称ジンジャー&フレッドとよばれているビルです。
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同じコンセプトで造られたビルなのかは定かではありませんが、舞踏会をはじめ踊りの文化があるウィーンにはぴったりのデザインの建築物だな、と思いました。(ちょっとスカートの広がりが足りませんが...)

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8月も今日でおしまい。ウィーンの夏が過ぎていきます。




by rutsu_tobii | 2017-09-01 05:26 | 海外の旅 | Comments(0)

クリスマス市場がスタート

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ウィーンは今週末までに街の主要なクリスマスマーケットがすべてオープン。昨日は、シュテファン大聖堂やアムホーフなど1区にあるマーケットをいくつか覗いてみました。

日の入りが早くなり、辺りが暗くなり始める16時頃には、街がイルミネーションでキラキラしてきます。
アムホーフのマーケットでは、入口側に名物のハムやソーセージをどっさり陳列したお店が立ち、お肉大好き人間たちの目がキラキラ。ワインのつまみにオープンサンドやソーセージを楽しんでいました。
一方、ビーガン(菜食主義者)にもOKという、できたてほやほやのバームクーヘン(日本のお菓子のバームクーヘンとは違ってパン生地)を売る店が、ここアムホーフにはあります。

クリスマス市はますますヘルシー志向の模様で、カールスプラッツのマーケットでは、ビオワインを専門にした名物のグリューワインを出す店の出店が目立ちました。オーストリアが原産のツヴァイゲルドや、ブラウアー・ポルチュギーザーの赤、ムスカテーラーの白などのグリューワインが楽しめます。

寒い日が続いているウィーンですが、寒いがゆえに暖かいワインやパンチは格別。今年もしばらく街の人々に多くの楽しみを与えてくれそうです。




by rutsu_tobii | 2016-11-19 23:59 | 海外の旅 | Comments(0)

エルナおばあちゃんとお茶

ウィーンでお借りしている部屋の真正面にある家に住んでいる、エルナおばあちゃん。お歳はなんと90歳なのですが、お元気でダックスフンドの犬のアントンと一緒に1人暮らししています。朝起きて窓の外を見ると大抵、暑い夏も寒い冬もお庭の手入れをし、車を運転して買い物や用事に出かけていくアクティブなエルナおばあちゃんに、以前から興味津々だったのですが、先日、初めてお家にお伺いし、お茶をしながらいろいろとお話することができました。

お家の中は、お庭同様、素晴らしく美しく整理整頓されていて、さすがに家事に関して几帳面なオーストリア女性のお家という感じ。お歳を召されていても、身なりもお家の中もきちんとセンスよく暮らしている様子に感銘を受け、ますますファンになってしまいました。

そんなエルナおばあちゃんが、お茶の時間に用意してくれたのは、クラプフェンとクーラーチェ。クラプフェンは、定番のあんずジャム入りのふわふわの揚げパン。クーラーチェはトプフェンというチーズを使った甘いデニッシュのような菓子パン。どちらもウィーンのスイーツの代表で、パン屋さんで普通に売られていますが、エルナおばあちゃんのチョイスは有名菓子店Oberlarオーバーラーのもの。お菓子屋さんがパンをつくるとさらにおいしいと開眼。高カロリーな菓子パンでエネルギー補給しながら、エルナおばあちゃんの人生の歴史を4時間に渡っていろいろとお聞きしたのでした。

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by rutsu_tobii | 2016-11-16 23:59 | 海外の旅 | Comments(0)

新酒を祝うお祭り

 11月に入り、そろそろあちこちのホイリゲ(ワイン居酒屋)から新酒が出来上がったとうわさが聞こえてきました。先日の日曜日は、ワインの産地で有名なニーダーエースタライヒ州の町、Perchtoldosdorfペーツトルドルフで新酒の出来上がりを祝うお祭りがありました。ウィーンから電車で1時間ほどの場所です。

 朝から冷たい雨が降り続くあいにくのお天気だったのですが、市庁舎広場には伝統的な衣装を身につけたたくさんの人たちが集まって、とても楽しげな雰囲気。男性も女性も葡萄の実と色づいた黄色い葉の飾りをジャケットの胸ポケットや、帽子に飾っていたのが印象的でした。
 一番の見物は、着飾った人々と馬、そして音楽隊の行進です。町のシンボルでもある教会からカリヨンの鐘が賑やかに奏でられた後、広場へ向かって一斉に歩き出します。

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 花や藁の飾りをつけたたくましい馬たちは、おとぎ話にでてくるような可愛らしさ。その後の市長をはじめ関係者のスピーチがあったのですが、ステージの上でみんな新酒をグビグビ飲みながら、時事ネタをいれたローカルジョークで人々を涌かせていました。地元愛にあふれた友人達が、お祭りについていろいろとガイドしてくれたのですが、小さなコミュニティならではの親密な雰囲気に、部外者ながらほっこり。お祭りの後は地元客で賑わうホイリゲに直行し、今の時期の名物のアヒルのグリルと新酒を早速いただきました。

 オーストリアの新酒の「解禁」は毎年11月11日といわれていますが、どうやらフランスなどのように厳密な規則は特にないようで、すでに新酒が出来上がったホイリゲでは飲むことができます。若いワインがお好きな方は、お早めに「初物」をお楽しみあれ。




by rutsu_tobii | 2016-11-08 10:00 | 海外の旅 | Comments(0)

かぼちゃの季節

 ハロウィーンが近づくと、町の至る所に目につくカボチャ。オーストリアはカボチャが名産とあって、実にいろんな種類があります。食用としてスーパーに売られている種類の中には、『HOKKAIDO』とよばれる日本オリジンの栗かぼちゃもあります。
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 花屋さんの軒には今年も、個性豊かな表情のカボチャたちが並びました。観賞用とわかっていても、食べられるのかなー?と気になってしまいます。





by rutsu_tobii | 2016-10-18 23:59 | 海外の旅 | Comments(0)

「大地の出汁」の薬膳スープ

「食」は大事な旅の体験のひとつ。世界中どこに行っても必ずご当地名物や旬の味があるものですが、案外「この場所に来ない限り体験できないな」と思えるような、印象深い料理を見つけるのは難しいものです。

その点「これぞ究極的にユニークな土地の味かもしれない」と感じた一品がありました。別府の鉄輪温泉に4月にオープンした『蒸士茶楼(むしちゃろう)』でいただいた、薬膳スープです。
鉄輪は、豊富に湧き出る高温の温泉の蒸気を利用した「地獄蒸し」という方法で、昔から煮炊きが日常的に行われている場所。多くの湯治宿の中や軒先で、もくもく上がる蒸気の「天然のコンロ」でお湯を涌かしたり、蒸し料理を作る様子が見られます。

私がいただいた薬膳スープも、そんな独特な土地の性質を利用して作ったスープ。雲南料理で使う鍋が使われているのですが、フタの部分が煙突のように尖ったモロッコのタジン鍋に似た形をしています。その中に厳選した多種類の薬草と食材を入れて、長い時間温泉の蒸気で蒸すと鍋の中の「気体」が、温泉と食材の旨味が凝縮された滋味深い「液体」のスープへと変わっているのです。

オーナーシェフの前田さんは、長年、別府の有名ホテルで中華料理長を務めた方。さらに「低温スチーム製法」という、45度〜95度までの繊細な温度調整で食材の成分を最大限おいしく健康的に調理する方法のチーフインストラクターでもあります。この低温スチーム製法を温泉の蒸気を使って行うために、自分のお店をオープンするにあたり、特注で世界に一台しかない蒸気式の加熱器を作ってしまいました。

お店で出されるコース料理はどれも、大分の食材と温泉の成分が溶けあった体にも優しい味。地熱利用したエコな料理は、地球にも優しいですね。鉄輪の飲泉用の温泉を口にしてみるとわかるのですが、ミネラル成分なのかやや塩味のような、すでにそれだけで「大地の出汁」がついているのです。

そういえば、お店の近くの通りで見かけた鉄輪温泉の解説看板に、興味深いことが書いてありました。約50年前に降った雨水が土地に染み込んで火山により温められたものが、今、別府に湧き出ている温泉だそうです。
約半世紀もの間、別府の地下でじっくり温められた「大地の出汁」で作る薬膳スープ。言葉に表せない何とも感慨深い味がしたのでした。

低温スチーム&ドライ薬膳レストラン『蒸士茶楼』のfacebookページ




by rutsu_tobii | 2016-05-24 23:59 | | Comments(0)

トビイ ルツ|TOBII & RUTSU「ペン一本でどこでも行ける」生活に憧れるイラストレーター&モノ書きです
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